エバのふぞろいの子どもたち







エバのふぞろいの子どもたち メルヘン

メルヘンのグリム兄弟
8.6/10 - 12
エバのふぞろいの子どもたち
アダムとイヴは楽園から追放された後、不毛の地に家を建て、額に汗してパンを稼ぐほかありませんでした。アダムは土を掘り起こし、イヴは糸を紡ぎました。毎年イヴは一人の子供を産みましたが、子供たちはみんな違っていて、可愛い子もいれば醜い子もいました。かなりの時が経ってから、神様は天使を遣わし、二人の家庭を見に行くと知らせました。

イヴは、神様がそんなに慈悲深いことを喜び、精を出して家をきれいにし、花で飾り、床に灯心草をまきました。それから子供たちを中に入れましたが美しい子供たちだけでした。イヴはその子たちを風呂に入れ洗って、髪をすき、きれいな服を着せ、神様の前で礼儀正しく謙虚にふるまうよう注意しました。神様の前で丁寧にお辞儀し、両手を差し出し、神様の質問には控えめに賢く答えるんですよ、とイヴはさとしました。

ところが、醜い子供たちは、姿を見せてはいけない、と言われました。一人は干し草の下に隠れ、別の子は屋根の下に、三人目はわらの中に、四人目はストーブの中へ、五人目は地下室に、六人目はおけの下に、七人目は酒樽の下に、八人目は古い毛皮のコートの下に、九人目と十人目はイブがいつも子供たちの服を作る布地の下に、十一人目と十二人目はイヴが子供たちの靴を切りぬく皮の下に隠れました。

準備ができるとすぐに玄関の戸をたたく音が聞こえました。アダムが隙間から見ると、それは神様でした。アダムは戸をうやうやしく開け、神様は入ってきました。すると、一列になってきれいな子供たちが立っていて、神様の前でお辞儀し、両手をさしだし、膝まづきました。ところが、神様は子供たちに祝福を与え始め、最初の子の頭に両手を置き、「お前は力のある王様になるがよい」と言い、二番目の子には「お前は王子に」、三番目の子には「お前は公爵に」、四番目の子には「お前は騎士に」、五番目の子には「お前は貴族に」、六番目の子には「お前は市民に」、七番目の子には「お前は商人に」、八番目の子には「お前は学者に」と言いました。神様は、子供たちに最も豊かな祝福の数々もまた与えました。

イヴは神様がこんなにやさしく慈悲深いのを見て、(ここにみっともない子供たちも連れてこよう、神様はあの子たちにも祝福を与えてくださるかもしれないわ)と考えました。それで走っていき、干し草、わら、ストーブ、隠れていたどこからでも、子供たちを出して連れて行きました。それで粗野で、汚く、かさぶたのある、すすだらけの一群がやってきました。神様はほほえんで、その子供たちみんなを見て、「この子たちにも祝福を与えよう。」と言いました。神様は最初の子の頭に両手を置き、「お前は農夫になるがよい」と言いました。二番目の子には「お前は漁師に」、三番目の子には「お前は鍛冶屋に」、四番目の子には「お前はなめし皮業者に」、五番目の子には「お前は機織りに」、六番目の子には「お前は靴屋に」、七番目の子には「お前は仕立て屋に」、八番目の子には「お前は陶工に」、九番目の子には「お前は荷車引きに」、十番目の子には「お前は船乗りに」、十一番目の子には「お前は走り使いに」、十二番目の子には「お前は一生下男に」、と言いました。

イヴはこれを聞いて、「神様、贈り物をずいぶん不公平に分けるんですね。何と言っても、この子たちはみんな私の子です。私が産んだのです。祝福をみんな同じに与えていただきたいものです。」と言いました。しかし神様は「イヴ、お前は分かっていないのだ。この世全体がこの子たちから与えられるようにするのが正しく必要なことだ。子供たちがみんな王子や貴族なら、誰が穀物を育て、脱穀し、粉にして焼くのだ?誰が、鍛冶屋や機織りや大工や石工や人夫や仕立て屋の仕事をするのかね?めいめいが自分の役割を持ち、それで互いを養うようにさせねばならぬ。一つの体の手足のように皆が食べていけるようにするのだ。」と答えました。するとイヴは、「ああ、神様、お許しください。よく考えもしないで口をきいたりして申し訳ありませんでした。み心を私の子供たちにくださいますように。」


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