三枚の鳥の羽







三枚の鳥の羽 メルヘン

メルヘンのグリム兄弟
8.3/10 - 367
三枚の鳥の羽
昔息子が三人いる王様がいました。息子の二人は利口で賢かったのですが、三番目の息子はあまり喋らず、間が抜けていたので抜け作と呼ばれていました。王様は年とって体が弱くなり、死ぬ時のことを考えていると、どの息子にあとを継がせたらよいのかわかりませんでした。それで、三人に、「出かけていって、一番美しいじゅうたんを持ち帰った者をわしが死んだあと王様とするぞ。」と言いました。

そして三人の間で争いがあってはいけないので、王様は城の外に三人を連れていき、三枚の羽根を空中に吹き飛ばして、「飛んでいく方に行け。」と言いました。一枚の羽根は東に、もう一枚は西に飛んでいきましたが、三枚目はまっすぐ上に飛んで遠くへ行かず、まもなく地面に落ちました。

そうして一人の兄は右へ、もう一人の兄は左へ行き、二人は、三番目の羽根が落ちたところにいるしかなくなった抜け作をあざ笑いました。抜け作は座りこんでしょげていました。するとふいに、羽根のすぐそばに揚げ戸があるのに気づきました。その戸を上げると、階段がいくつかあり、抜け作は降りていきました。するとまた戸があったので、それをたたくと、中で誰かが呼んでるのが聞こえました。「小さな緑の女中や、跳ね脚の女中や、跳ね脚の小犬や、ぴょんぴょん跳ねて、誰がいるか見ておいで」

戸が開くと、大きな太ったヒキガエルが座っていて、周りに小さなひきがえるがたくさんいるのが見えました。太ったひきがえるが、何が欲しいの?と聞きました。抜け作は、「世界で一番きれいで一番上等なじゅうたんが欲しいんだ」と答えました。すると、そのひきがえるが、若いひきがえるを呼んで、「小さな緑の女中や、跳ね脚の女中や、跳ね脚の小犬や、ぴょんぴょん跳ねて、大きな箱をもっといで」と言いました。

若いひきがえるが箱を持って来て、太ったひきがえるが開け、そこからじゅうたんを出して抜け作に渡しました。そのじゅうたんはとても美しくとても上等で地上でそのように織られたものは他にありませんでした。そこで抜け作は礼を言ってまた階段を登って外へ出ました。

ところが、二人の兄たちは末の弟を、あんな間抜けがじゅうたんを探してもってくるわけがない、と思っていました。それで、「骨折って探しまわるなんて必要ないよ」と二人は言って、出会った最初の羊飼いのおかみさんから目の粗いハンカチをとって、それを王様のところへ持って帰りました。

同じ時期に抜け作も戻ってきて、美しいじゅうたんを持って行きました。王様はそれを見て驚き、「決定を言うと、国は末の息子のものだ。」と言いました。しかし、二人の兄たちは王様に、抜け作は何にしてもよくわからないんだから王様になるのは無理だよ、とうるさく言って、どうか新しい取り決めをしてください、と願いました。

そこで王様は、「一番美しい指輪を持ってきた者に王国を継がせよう」と言って、三人の兄弟を外に出し、三枚の羽根を空中に吹いて、三人に羽根のあとを追わせました。二人の兄たちの羽根はまた東と西に行きましたが、抜け作の羽根はまっすぐ上に飛んで地中へ行く戸の近くに落ちました。

それで抜け作はまた階段を降りて太ったひきがえるのところに行き、一番美しい指輪が欲しいんだ、と言いました。ひきがえるはすぐに大きな箱を持ってくるように命じて、そこから指輪をとって抜け作に渡しました。その指輪は宝石できらきら光り、この世の金細工師が作れないほど美しいものでした。

二人の兄たちは、抜け作が金の指輪を探しに行くんだとよ、と言って笑いました。二人は全然手間をかけないで、古い馬車の輪から釘を抜いたものを王様に持って行きました。しかし、抜け作が金の指輪を差し出すと、父親は今度も、「王国は末の息子のものだ。」と言いました。二人の兄たちが王様をうるさくせっついてやまないので、王様はとうとう三つ目の条件を出し、「一番美しい娘を連れてきたものに国をやることにする」と言いました。そうしてまた三枚の羽根を空中に吹き、羽根は前と同じように飛びました。

それで抜け作は考え込むことなく太ったひきがえるのところに下りていき、「一番きれいな娘を連れて行かなくちゃならないんだ」と言いました。「なんと」とひきがえるは答えました。「一番きれいな娘ねぇ。今すぐには無いんだけど、でも手に入れてあげましょう。」ひきがえるは、くりぬいてある黄色のかぶに六匹のねずみをとりつけ、抜け作に渡しました。

それで抜け作はすっかり情けなくなって「これをどうしたらいいんだ?」と言いました。ヒキガエルは「いいから、私の小さなひきがえるをその中に入れるのよ。」と答えました。それで抜け作は群れの中から適当に一匹つかんで黄色の馬車に入れました。ところがそのひきがえるが中で座った途端に驚くほどに美しい乙女に変わり、かぶは馬車に、六匹のねずみは馬に変わりました。それで抜け作は乙女にキスをし、馬で速く走って王様のところへ娘を連れていきました。

兄たちはあとからやってきましたが、骨を折って美しい娘をさがしまわったりしないで、たまたま出会った最初のお百姓の娘を連れてきました。王様はその娘たちを見て、「わしが死んだあとは国は末の息子のものだ」と言いました。しかし、二人の兄たちは、王様が耳をふさぎたいくらいまたまた騒ぎ立て、「抜け作が王様になるのは納得できません、広間の真ん中にかかっている輪を跳ねて通り抜けた娘の夫を跡継ぎにしてください」と言いました。二人は、(百姓娘は簡単にできるさ、なんせ丈夫だからな、だけどかぼそい乙女は死ぬために跳ぶようなもんだ)と思ったのです。

年とった王様はこれをもまた承知しました。そこで二人の百姓娘は跳びはねました。そして輪は潜り抜けたものの不器用で転び、ごつごつした手足を折りました。そうして、抜け作が連れてきたかわいい乙女が跳ね、鹿のように軽やかに輪を潜り抜けました。それでもう兄たちの反対の声がすっかり止みました。こうして抜け作は王様の冠を受け取り、長い間賢く国を治めました。


*     *     *     *     *
0.00
印刷 印刷
grimmstories.com



二つの言語を比較します:


前 メルヘン
次 メルヘン
ホーム














Donations are welcomed & appreciated.


Thank you for your support.