くすねた銅貨






くすねた銅貨 メルヘン

メルヘンのグリム兄弟
8.4/10 - 16
くすねた銅貨
ある日、父親は妻と子供たちと一緒に食事をしていて、訪ねてきていた仲のよい友達も一緒に食べていました。こんな風に座っていて、12時をうっていたとき、お客はドアが開くのが見え、とても顔色が悪く雪のように白い服を着た子供が入ってきました。その子はまわりを見回しもせず、口も言わないで、まっすぐ隣の部屋に入って行き、すぐあとになって、戻って来て、同じ静かな様子で出ていきました。2日目も3日目も全く同じふうに来ました。とうとうお客は父親に、毎日正午に隣の部屋に入っていくあのきれいな子はどこの子かね?と尋ねました。「そんな子見たことがないね。」と父親は言い、誰の子かもわかりようがない、と言いました。

次の日、その子がまた来た時、お客は父親にその子を指差しましたが、父親には見えませんでした、また母親や子供たちみんなにも何もみえませんでした。これにお客は立ちあがって部屋の戸のところに行き、少し開けて中を覗き込みました。すると、こどもが下に座り、床の板の間を忙しそうに掘ってさがしているのが見えました。しかし、お客を見ると、消えてしまいました。それで今度は、お客は見たことを話し、子供の様子を正確に説明しました。すると母親がわかって、「ああ、それは1カ月前に死んだ私の子ですよ。」と言いました。みんなが板を持ち上げると、貧しい人にあげるようにと、子供が母親から昔受け取った2ファージングを見つけました。ところが、その子は、そのお金でビスケットが買えると思って、そのファージングをとっておき、板の間の隙間に隠しておいたのでした。それで、お墓の中でも心が安らがないで、これらのファージングをさがしに毎日お昼に来ていたのでした。両親はすぐにそのお金を貧しい人に与えました。その後子供は二度と見られませんでした。


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