あめふらし

昔、王女がいました。この王女にはお城の胸壁のすぐ下に12の窓がある部屋が一つあり、あらゆる方角を見わたせました。王女はそこに上り、周りを見まわすと国じゅうを視ることができました。第一の窓から見ると他の人間より視力が増し、第二の窓からはもっとよく見え、第三の窓からはもっとはっきり見え、と12番目の窓までそんな風に続きました。それで12番目の窓からは地の上でも下でも何でも見え、王女に見通せないものはなにもありませんでした。 さらに王女