ものわかりのいいハンス

ハンスの母が、 「ハンスや、どごさ 行ぐの?」と尋ねました。 「グレーテルの どごさ」とハンスは答えました。 「じょずに やるんだよ」 「うん、じょずに やるよ、せばな、おかさん」 「行て こへ、ハンス」 ハンスはグレーテルの家に行きます。 「え日だねぇ、グレーテル」 「よぐ 来たねぇ、ハンス。あんた、どした ええもの 持て きた?」 「なも 持て こねよ。何が もらて行きて。」 グレーテルは、ハンスに針を一本やります。 「せばな、グレーテル」 「せば、ハンス」 ハンスはもらった針を干し草車に刺し、車のあとについて家に帰ってきます。 「たんだいま、おかさん」 「ハンス、帰たが、おめ、いんままで どごに いだだ?」 「グレーテルどごに いだや」 「おめ、グレーテルさ なに 持て いて けだの?」 「なも 持て いがねよ、もらて きたよ。」 「グレーテルは 何 くれだ?」 「針だよ」 「針 どごさ やた?ハンス」 「干し草車さ 刺したや」 「ばがだごと、さねでよ、ハンスや、針だば 袖さ 刺して おぐもんだね」 「どでも いでばな、おかさん、こんだだば、もと じょずに やるね」 「ハンスや、どごさ 行ぐの?」 「グレーテルのどごさ」 「じょずに やるんだよ」 「うん、じょずに やるよ、せばな、おかさん」 「行て こへ、ハンス」 ハンスはグレーテルの家に行きます。 「いい日だねぇ、グレーテル」 「よぐ来たねぇ、ハンス。あんた、どした ええもの 持てきた?」 「なも 持て こねよ。何が もらて行きて。」 グレーテルは、ハンスにナイフをやります。 「せばな、グレーテル」 「せば、ハンス」 ハンスはもらったナイフを袖に刺して家に帰ってきます。 「たんだいま、おかさん」 「ハンス、帰たが、おめ、どごに いだだ?」 「グレーテルどごに いだや」 「おめ、グレーテルさ なに 持て 行て けだの?」 「なも 持て 行がねよ、もらて 来たや。」 「グレーテルは 何 くれだ?」 「ナイフだや」 「ナイフ どごさ やた?ハンス」 「袖さ 刺したや」 「ばがだごと、さねでよ、ハンスや、ナイフだば 袋さ 入れで おぐもんだね」 「どでも いでばな、おかさん、こんだだば、もと じょずに やるね」 「ハンスや、どごさ 行ぐの?」 「グレーテルの どごさ」 「じょずに やるんだよ」 「うん、じょずに や
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グリム兄弟のほとんどテイルズ

ヘンゼルとグレーテル 大きな森のすぐ近くに、木こりが、おかみさんと子供たちと一緒に住んでいました。男の子はヘンゼルで女の子はグレーテルという名前でした。木こりにはほとんど食べるものがなく、その土地に大飢饉が見舞ったとき、もう毎日食べるパンさえ得られませんでした。木こりは夜ベッドに寝てこれを考え、心配で寝返りをうちながら、呻って、「おれたちはどうなるのかな?自分たちの分ももう何もないのにどうやって可哀そうな子供たちに食べさそうか?」と言いました。「あんた、こうしたらどう?」とおかみさんは答えました。「明日の朝早く子供たちを森の木の一番茂っているところへ連れていくの。そこで子供たちに火をたいてあげて、一人ずつもう一つパンをあげるでしょ。それから私たちは仕事に行って子供たちをおいておくの。あの子たちは家へ帰る道がわからないだろうから、縁を切れるわよ。」「まさか、おまえ、そんなことしないよ。子供たちを森においてくるなんて我慢ならない。けものがすぐ来て子供たちを引き裂いてしまうだろうよ。」「まあ、ばかね。それじゃあ私たち4人とも飢えて死んでしまうよ。あんたは私たちの棺桶の板にかんなをかけた方がいいよ。」それでおかみさ
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ブレーメンの音楽隊 ある男がロバを飼っていました。このロバは何年も疲れ知らずに麦の袋を風車小屋まで運びましたが、力がなくなってきて、だんだん仕事に適さなくなってきました。それで主人はえさをやらないのが一番いいと考え始めました。しかし、ロバは風向きが悪いとわかって逃げ、ブレーメンへ行く道を出発しました。そこできっと町の音楽家になれるぞ、とロバは考えました。 しばらく歩くと、猟犬が道に寝て、疲れるまで走ったようにハアハアあえいでいるのに気がつきました。「犬くん、どうしてそんなにあえいでいるんだね?」とロバは尋ねました。「ああ」と猟犬は答えました。「僕は年寄りで、毎日弱くなってきて、もう猟ができないんだよ。主人は僕を殺そうとしたんだ。だから逃げて来たのさ。だけど、どうやって食っていったらいいんだろう?」「いいこと教えようか」とロバは言いました。「僕はブレーメンへ行って、そこで町の音楽家になるんだ。僕と一緒に行って君も音楽家の仕事をしないか。僕はリュートを弾く、きみはティンパニをたたくんだ。」 猟犬は賛成しました。それで二匹で進んで行きました。まもなく、猫に出会いました。猫は三日続きの雨のような顔をして道に座って
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いばら姫 昔、子供ができなくて、毎日「ああ、子供がいればなあ」と言っていた王様とお后さまがいました。しかしあるときお妃さまが水浴びしていると、蛙が水から陸にあがり、「あなたの望みはかなえられますよ。1年経たないうちに娘が産まれます。」と言いました。 蛙の言ったことが本当になり、お后さまはとても可愛い女の子を産みました。王様は喜びを抑えられなくて、大宴会を開くことを命じました。そして親戚や友達や知人だけでなく、やさしく子供によい運をつけるようにと賢い女の人たちも招きました。この王国には13人の賢い女の人たちがいましたが、食事を出す金のお皿が12人分しかなかったので一人は家に残さなければなりませんでした。 宴会はとても豪華に開かれ、終わりになったとき、賢い女たちが赤ちゃんに魔法の贈り物を授けました。一人は美徳を、別の人は美しさを、3人目は富を、等々、人がこの世で望むあらゆるものを授けていきました。 11人の賢い女が約束を言い終えたとき、突然13人目の賢い女が入ってきました。招待されなかったので仕返ししようと思ったのです。挨拶もしないで、誰も見もしないで、大声で「王様の娘は15歳のとき紡錘に刺され、倒
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ラプンツェル 昔、長い間子供に恵まれない夫婦がいました。が、とうとう妻は神様が願いをかなえてくれる望みをもちました。この人たちの家の奥に素晴らしい庭がみえる小さな窓がありました。そこは最も美しい花とハーブでいっぱいでした。しかし、そこは高い塀で囲まれていて、魔女のものだったので誰もあえて入ろうとはしませんでした。その魔女は大きな力を持っていて、世界全体に恐れられていたのです。 ある日、妻は窓のそばに立ち、庭を見下ろしていました。するとそのとき、とても美しいカブラギキョウ(ラプンツェル)が植えられている花壇が目に入りました。それはとてもみずみずしい緑だったので欲しくなり、どうしてもいくらか食べてみたくてたまりませんでした。この欲求は日増しに強くなり、少しも手に入れることができないと知っているので、妻は とてもやつれて、顔色がわるく、惨めにみえました。それで夫は驚いて、「どうしたんだい?お前」と尋ねました。「ああ、家のうらの庭にあるカブラギキョウをたべられなくちゃ死んでしまうわ。」と妻は答えました。 男は、妻を愛していたので、(妻を死なせるより前に、どんな犠牲を払っても、自分でカブラギキョウをとってこよ
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本当の花嫁 昔、娘がいました。若くて美しかったのですが、とても小さい時に母親が亡くなり、継母がひどくいじめるので娘の暮らしは惨めなものでした。継母が何かやるように言いつけるときはいつも、娘は根気よく取り組んで何でもできる限りのことをしました。それでも娘は意地悪な継母の心をつかむことはできませんでした。継母は決して満足しないし、これでいいということは絶対ありませんでした。娘が一生懸命働けば働くほど、さらに多くの仕事が言いつけられ、継母はこの娘に、いかにもっと重荷を背負わせて、いかにもっと暮らしを惨めにさせるかを考えるだけでした。 ある日、継母は、「ここに12ポンドの羽根があるから、羽柄からつみ取るんだよ。今日の日暮れまでに終わって無かったら、たっぷりぶってやるからね。一日中ぶらぶらできると思ってるのかい?」と言いました。可哀そうに娘は座って仕事にとりかかりましたが、涙が頬を流れ落ちました。というのは一日でその仕事を終えるのは全く無理だとはっきりみてとれたからです。前に小さな羽根の山をおいて、悲しみのあまりため息をついたり手を打ちあわせたりするといつも、羽根は飛び散ってしまい、また拾い集めて仕事を新た
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シンデレラ 金持ちの妻が病気になり、最期が近づいていると感じたので、たった一人の娘をベッドのそばに呼んで、「愛するわが子よ、良い子で神様を信じているんですよ。そうすれば神様がいつもお前を守ってくれます。私は天国からお前を見下ろしてお前の近くにいますからね。」と言いました。それで目を閉じ、亡くなりました。毎日娘は母親の墓に出かけては泣きましたが、信心深く善良なままでした。冬が来て雪が墓の上に白い覆いを広げ、春の太陽がまたその雪を溶かす頃には、男は別の妻をもらいました。 その女は家へ二人の娘を一緒に連れてきました。、娘たちは顔は美しくきれいでしたが、心は汚く真っ黒でした。それから可哀そうな継子の辛い時期が始まりました。「間抜けが私たちと一緒に居間に座っていていいの?パンを食べたい人は稼がなくちゃね。台所女中は外よ。」と二人は言いました。二人は娘からきれいな服をとりあげ、娘に古い灰色の上っ張りを着せ、木の靴をはかせました。「高慢な王女様をみてごらん。なんておめかししているの。」と叫んで笑い、娘を台所に連れて行きました。そこで娘は朝から晩まで、辛い仕事をしなければなりませんでした。日の出前に起き、水を汲み
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小人の靴屋 第1話 靴屋が自分のせいではないのですが、とても貧しくなってとうとう一足の靴分の皮以外何も残らなくなりました。それで夜に、次の朝作りはじめるようと思った靴を切り取りました。気がとがめていないのでベッドに静かに横になり、神様にお祈りし、眠りました。朝に、お祈りをした後仕事を始めようとしたら、仕事台のうえに2つの靴が出来上がってあったので、ビックリし、どう考えたらよいのかわかりませんでした。靴を手にとってもっとよく見てみたら、1つも悪い縫い目がなく、とてもきれいに作られているので、腕試しをしようと作られたかのようでした。まもなくお客が入ってきて、その靴をとても気に入り、普通よりもっと多く支払いました。それで、そのお金で靴屋は2足分の皮を買うことができました。その皮を夜に切り抜いておき、朝に新鮮な気分で仕事に取りかかろうとしましたが、そうする必要がありませんでした。というのは起きたとき、靴はもう作られていて、買い手たちは文句のつけようがない出来なので、4足分の靴の皮を買うのに十分なお金を払いました。再び次の朝も靴ができていて、それがずっと続きました。靴屋が夜に切り取ったものが朝までに仕上がっ
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ねずの木の話 今はもうずいぶん昔、二千年は前ですが、金持ちの男がいました。妻は美しく信心深い人で、二人は心から愛し合っていました。しかし、二人には、とても欲しいと望んだけれども、子供ができませんでした。妻は昼も夜も子供をお授けくださいとお祈りしましたがそれでもだめでした。二人の家の前に中庭があり、そこには一本のビャクシンの木がありました。冬のある日、妻はその木の下に立ち、リンゴの皮をむいていましたが、そうしているうちに指を切り、血が雪に落ちました。「ああ」と妻は言い、すぐため息をついて、目の前の血を見て、とても惨めに思いました。「ああ、血のように赤く、雪のように白い子供がいたらいいのに」こうして話している間にとてもしあわせな気分になり、本当に子供が生まれるような気がし、それから家に入りました。 一か月経つと雪が消え、二か月すると一面緑になり、三か月経つと花が咲き、四か月すると森の木々の緑が濃くなり緑の枝が密にからみあい、鳥たちがさえずりその声が森にこだまし、花が木から落ちました。五カ月経って、妻はビャクシンの木の下に立ちました。その木はとても甘い香りがして妻の心が躍りました。妻は膝まづき、喜びに我を
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猫とねずみとお友だち ある猫がはつかねずみと知り合いになり、猫がねずみに、あなたをとても好きだし友達になりたいんだ、としきりに言ったので、とうとうねずみは猫と一緒に暮らし家事をすることを承知しました。「だけど、冬に備えなくてはいけないね。そうしないとひもじい思いをするよ。」と猫は言いました。「それでネズミくん、君はあちこち出歩けないよ。そうしないといつか罠にかかるだろうからね。」 親切な忠告に従い、一壺の脂肪を買いましたが、その壺をどこに置いたらいいかわかりませんでした。だいぶ考えた後、とうとう猫が、「それをしまっておくのに教会よりもよい場所はわからないね。だってそこからは誰もものをとっていかないからな。祭壇の下に壺を置いて、本当に困るまでそれに触らないでおこうよ。」と言いました。 それで壺は安全な場所に置かれましたが、まもなく、猫はそれがとても欲しくなり、ねずみに言いました。「ネズミくん、話したいことがあるんだ。いとこが息子を産んで、僕に名付け親になってもらいたいと頼んでるんだよ。その子は白に茶色のぶちで、洗礼のとき洗礼盤の上で抱くことになっているんだ。今日は出かけさせてくれ。それで君だけでうちのことをや
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狼と七匹の子ヤギ 昔、子ヤギが七匹いる年とった山羊がいて、子供たちを愛する母親がもつありったけの愛で子供たちを愛していました。ある日お母さんヤギは森へ行き、食べ物をとってきたいと思いました。それで子供たちを呼んで言いました。「お前たち、私は森へ行かなくてはいけないの。狼に気をつけるのよ。もし狼が入ってきたら、お前たちみんなを、髪も皮もみんな食べてしまうわ。その悪党はよく変装するの。だけどお前たちはがらがら声と黒い足ですぐ狼だとわかるわ。」子供たちは言いました。「お母さん、僕たちよく気をつけるよ。心配しないで行っていいよ。」それでおかあさんヤギは安心して出かけて行きました。 まもなく誰かが玄関のドアをノックし、言いました。「子供たち、ドアを開けて。お母さんですよ。お前たちにいいものを持ってきましたよ。」しかし子供たちはがらがら声でそれは狼だと知りました。「戸を開けないよ。お前はお母さんじゃないよ。お母さんは柔らかく感じのいい声をしてるんだ。だけどお前の声はがらがらだ。お前は狼だ。」と子供たちは言いました。すると狼は立ち去りお店に行って大きな石灰のかたまりを買い、これを食べて声を柔らかくしました。それから戻
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ルンペルシュティルツヒェン 昔、貧しいけれど、美しい娘がいる粉屋がいました。さて、この粉屋がたまたま王様のところに行き、話すことになりましたが、自分を重要にみせるために、「私にはわらを紡いで金にできる娘がいます。」と王様に言いました。王様は「それは、とても気にいる技だな。もし娘がお前が言うように賢いなら、明日宮殿に連れて来い。テストしてみよう。」と粉屋に言いました。 そして、娘が連れて来られると、王様はわらがまったくいっぱいある部屋に連れて行き、糸車と巻き枠を渡し、「さあ、仕事にかかれ、もし夜の間にこのわらを紡いで明日早朝までに金にしなければ、お前は死ななければならん。」と言いました。そうして自分で部屋に錠をかけ、娘をひとり部屋に残しました。それでそこで可哀そうな粉屋の娘は座り、どうしたら命が助かるか判らなく、またわらを紡いで金にする方法も見当がつかないので、だんだん恐くなり、とうとう泣き出しました。 しかし、突然ドアが開き、1人の小人が入ってきて、「今晩は、粉屋の娘さん、どうしてそんなに泣いているの?」と言いました。「ああ、わらを紡いで金にしなければならないの。でもどうやるのかわからないのよ。」と娘は答えました
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死神の名付け親 貧しい男に12人の子供がいて、その子供たちをただ養うだけで夜も昼も働かなければなりませんでした。それで13人目の子供が生まれたとき、困ってどうしたらよいかわかりませんでしたが、広い大通りに走り出て、出会った最初の人に名付け親になってもらおうと決心しました。最初に出会ったのは神様で、もう男の心をいっぱいにしているものを知っていました。そして、男に、「貧しい人よ、お前を哀れに思う。私が子供の洗礼をしよう。そしてその子を引き受け、この世で幸せにしよう。」と言いました。男は、「お前は誰だ?」と言いました。「私は神だ。」「じゃあ、お前さんには名付け親になってもらいたくないね。」と男は言いました。「お前さんは金持ちに与え、貧乏人は腹を減らしたままにしておくからね。」こう男は話しました。というのは神様が富と貧しさをどんなに賢く割り当てているか知らなかったからです。それで男は神様から向きを変えて、さらに進んで行きました。 すると悪魔がやってきて、「何をさがしてるんだね?おれを子供の名付け親にすれば、その子にたっぷり金をやり、また世界のあらゆる楽しさも与えてやるぜ。」と言いました。男は、「お前は誰だ?」
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白雪姫 昔、真冬に、雪が羽のようにチラチラと空から降っているとき、窓のところでお后が縫物をしていました。窓枠は黒檀でできており、縫物をして窓から雪を見ている間に、お后は針で指を刺してしまい、3滴の血が雪の上に落ちました。その赤は白い雪の上できれいに見え、お后は「雪のように白く、血のように赤く、窓枠の木のように黒い子供が欲しいわ…」と思いました。 その後まもなくお后は女の子を産みました。その子は雪のように白く、血のように赤く、髪は黒檀のように黒かったので、白雪姫と呼ばれました。子供が生まれたとき、お后は亡くなりました。 1年過ぎて王様は新しい妻を迎えました。このお后は美しい人でしたが、高慢で気位が高く、他のだれかが自分より美しいのは我慢できませんでした。お后は不思議な鏡を持っていて、その鏡の前に立ち、映っている自分を見て、「鏡よ、壁の鏡よ、この国で一番美しいのは誰?」と言いました。 鏡は答えました。「お后さま、あなたが一番美しい。」 するとお后は満足しました、鏡は真実を言うと知っていたからです。 しかし白雪姫が成長していって、だんだん美しくなり、7歳のときは昼と同じくらい美しく、お后自身より美し
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星の銀貨 昔、父も母も亡くなった小さな女の子がいました。とても貧しかったのでもう住む部屋も、眠るベッドもなくなり、とうとう着ている服と、手に持っている情け深い人がくれた少しのパンだけになりました。それでも、この子は善良で信心深い子でした。世間全般からこのように見捨てられたので、神様を信じて野に出ていきました。すると、貧しい男に出会い、その人が「ああ、何か食べるものをください。とてもおなかがすいてるのです。」というので、パンを全部手渡し、「神様があなたを祝福してくださいますように。」と言って先へ進みました。すると、子供が来て、呻いて、「頭がとても冷たいのです。何か頭をおおうものをください。」と言いました。それで女の子は頭巾を脱いでその子にあげました。さらに少し進むと、上着を着ていなくて寒さで凍えている別の子供に出会いました。それで、女の子は自分の上着をあげました。また少し行くと、ドレスを欲しがる人がいて、女の子はそれもあげました。とうとう森に入り、もう暗くなってしまっていました。そしてまた別の子供がきて、シャツを欲しがりました。それで善良な小さい女の子は心の中で、「暗い夜で、誰にも見えないわ。シャ
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聖母マリアの子供 大きな森のすぐ近くに木こりの夫婦が住んでいました。子供は一人だけで、3歳の女の子でした。しかし、夫婦はとても貧しかったのでもう毎日食べるパンがなくなり、どうしたら子供に食べ物を手に入れられるかわかりませんでした。ある朝、木こりは悲しみにくれながら森の仕事にでかけました。そして木を切っていると、突然、頭に輝く星の冠をつけている背の高い美しい女の人が前に立ち、言いました。「私は聖母マリア、イエス・キリストの母です。お前は貧しく困っていますね。子供を私のところにつかわしなさい。その子を連れて行き、母となり、世話をします。」木こりはその言葉に従い、子供を連れていき、聖母マリアに渡しました。そして聖母は子どもを天国へと連れていきました。天国で子供は順調に生活し、砂糖菓子を食べ、甘いミルクを飲みました。また服は金でできており、天使たちと遊びました。 娘が14歳になったある日、聖母マリアは呼んでいいました。「子供よ、私は長い旅にでかけます。だからお前が天国の13の扉の鍵を管理するのです。このうちの12の扉は開けて中にある栄光を見てもいいです。しかし13番目は、この小さな鍵はその扉のものですが、開ける
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雪白と薔薇紅 昔、人里離れた小さい家に貧しい未亡人が住んでいました。家の前に庭があり、そこには2本のばらの木がありました。そのばらの木の一本には白い花が、もう一本には赤い花が咲きました。この人には二本のばらの木のような子供が二人いて、一人は雪白、もう一人はばら紅と呼ばれました。二人は善良で幸せで、よく動き、明るい子供で、世界を探してもこんな二人はいないと思われました。ただ雪白の方がばら紅より静かでおとなしいといえました。ばら紅は花を捜したりチョウをつかまえたりして草原や野原を走り回る方が好きでしたが、雪白は母親と一緒に家にいて、家事を手伝ったり、何もすることがないときは母に本を読んであげたりしました。二人の子供たちはお互いが大好きだったので、一緒に外に出るときはいつもお互いの手を握っていました。そして雪白は「私たちはお互いを離れないわ」と言い、ばら紅は「生きてる限りずっとね。」と答え、母親は、「一人が持ってるものをもう一人と分かち合うのよ」と付け加えるのでした。 二人はよく二人だけで森を走り回り、赤イチゴを摘みました。二人に危害を加える獣はいなくて、信用して二人に近づいてきました。子ウサギは二人の手
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黄金のがちょう 三人の息子がいる男がいました。末っ子はアホッコと呼ばれて、事あるごとにさげすまれ、からかわれ、あざ笑われました。 さて、一番上の息子が森へ木を切りにいこうとして、出かける前におなかがすいたり喉がかわいたりしないようにと母親がきれいな甘いケーキと葡萄酒をひと瓶持たせました。 森へ入ると、白髪の年とった小人に会いました。小人は「こんにちは、ポケットからケーキをひとつくれませんか?それから葡萄酒を一口飲ませてください。私はとてもおなかがすいて喉が渇いているのです。」と言いました。しかし、賢い息子は「もしお前にケーキと葡萄酒をあげたら、私のがなくなるじゃないか、あっちへ行けよ」と答えて、小人を残して、行ってしまいました。 しかし、木を切り倒し始めるとまもなく手元が狂って、腕が斧で切れ、家へ帰って包帯をしなければいけなくなりました。これは白髪の小人がやったことでした。 このあと、二番目の息子が森へ入りました。そして、母親は一番上の息子と同じように、ケーキと葡萄酒をあげました。白髪の小人が同じように息子に会い、ケーキを一切れと葡萄酒を一口頼みました。しかし二番目の息子も十分賢く、「お前にあげたら自
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こわがることをおぼえるために旅にでた若者 ある父親に息子が二人いました。兄は賢くて気が利き、何でも出来ましたが、弟はまぬけで、何も習い覚えないし何もわかりませんでした。人々は弟を見ると、「父親に厄介をかけそうなやつがいる。」と言いました。何かしなければならないことがあると、それをやらされるのはいつも兄でしたが、しかし、時間が遅いとか夜に、道が墓地や他の陰気な場所を通るときに、父親が何かとってくるようにいいつけると、「えっ、嫌だよ、お父さん、そこには行かないよ。ぞっとするもの。」と答えました。兄は怖かったからです。また、夜に暖炉のそばで気味の悪い話がされると、聞いている人たちが時々「ええっ、ぞっとするよ。」と言いました。弟はすみに座って、他の人たちと一緒に聞き、どういうことを言ってるのかわかりませんでした。「いつも『ぞっとする、ぞっとする、ぞっとしない』と言ってるな。それも僕がわからない技にちがいない。」と弟は考えました。 さて、ある日、父親が弟に「よく聞けよ、そこのすみのやつ、お前は大きくなって力もでてきた。お前も自分で食っていく何かを習わなくちゃな。見てみろ、お前の兄はしっかり働いている。だが、お前はこれっぽちも稼がないんだ
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兄と妹 兄は妹の手をとり、「お母さんが亡くなってから僕たちは全然幸せじゃないね。義理のお母さんは毎日僕たちをぶって、近くへ寄ると足で蹴ったり。ごはんは残り物のパンくずだし。テーブルの下にいる犬の方がましな暮らしをしてるよ。だって、あの人は選んだご馳走をよく投げてやってるもの。ああ、お母さんが生きててくれればなあ。さあ、僕たちは広い世の中に出ていこう。」と言いました。 二人は草地や野原や岩地を越えて丸一日歩きました。そして雨が降ると妹は「天と私たちの心が一緒に泣いてる。」と言いました。夜になって大きな森に着きました。悲しみと空腹と長歩きのためとても疲れていたので木のほらに横になり、眠りました。次の日、太陽はすでに空高くのぼっていて、木の中を暑く照らしていました。それで兄は「妹よ、僕はのどがかわいた。小さな小川のことを知ってれば、行って水を飲むのだけど。水の流れる音が聞こえるような気がする。」と言いました。兄は立ち上がって妹の手をとりました。それから二人で小川を探しに出発しました。しかし意地が悪い継母は魔女でした。そして二人の子供たちが出ていく様子を見ていて、密かに、魔女が忍び寄るやり方で、あとを
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マレーン姫 昔、息子が一人いる王様がいました。その息子が強大な王様の娘に結婚を申し込みました。娘はマレーン姫といい、とても美しい人でした。その王子は、父親が娘を別の人に嫁がせたかったので、断られましたが、二人はお互いを心から愛していたので、あきらめようとしませんでした。マレーン姫は父親に、「私は他の方は夫にしませんし、できません。」と言いました。それで王様は怒って、日の光や月の光が入らない暗い塔を建てるよう命令し、塔ができあがると、「そこにお前を7年間閉じ込めておくぞ。その時、お前のつむじ曲がりが直ったかどうか見にくるとしよう。」と言いました。 7年間の食べ物と飲み物が塔に運び込まれ、そのあと王女と侍女が塔に連れ込まれ壁がふさがれて、天と地から切り離されました。二人はそこで暗闇の中に座り、いつ昼や夜が始まったかわかりませんでした。王様の息子はたびたび塔をぐるぐる回り、二人の名前を呼びましたが、外からの音は厚い壁をつらぬきませんでした。二人に嘆き悲しみ泣きごとを言う他にいったい何ができたでしょう。 やがて時が経ち、食べ物と飲み物が少なくなってきたので、二人は7年が終わりにきているとわかりました。解き
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勇ましいちびの仕立て屋 ある夏の朝、小さな仕立て屋は窓のそばの仕事台に座って、機嫌がよく一生懸命縫っていました。すると、下の通りをお百姓の女が、「いいジャムだよ、安いよ、いいジャムだよ、安いよ」と叫んで来ました。これは仕立て屋の耳に心地よく聞こえました。仕立て屋はきゃしゃな頭を窓から伸ばし、「ここへ来てよ、おばさん、ここで品物が売れるよ。」と呼びました。女は重いかごを持って3段あがって仕立て屋のところに来ました。そして仕立て屋は女につぼを全部広げさせ、全部を調べ、持ち上げ、鼻で匂いを嗅ぎ、やっと、「おばさん、そのジャムはおいしそうだ。だから4オンス測ってくれ。四分の一ポンドでも構わないよ。」と言いました。 たくさん売れると思っていた女は、仕立て屋が望んだものを渡しましたが、ぷんぷん怒ってぶつくさ言いながら立ち去りました。「さて、このジャムを神様が祝福してくださいますように」と小さな仕立て屋は叫びました。「そして食べた私に健康と力を与えてくださいますように。」それで戸棚からパンを出し、ちょうど半分に切り、ジャムを塗りました。「これは苦くないだろう。」と仕立て屋は言いました。「だが食べる前に、上着を終わらせよう。
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