ラプンツェル







ラプンツェル メルヘン

メルヘンのグリム兄弟
8.3/10 - 1531
ラプンツェル
昔、長い間子供に恵まれない夫婦がいました。が、とうとう妻は神様が願いをかなえてくれる望みをもちました。この人たちの家の奥に素晴らしい庭がみえる小さな窓がありました。そこは最も美しい花とハーブでいっぱいでした。しかし、そこは高い塀で囲まれていて、魔女のものだったので誰もあえて入ろうとはしませんでした。その魔女は大きな力を持っていて、世界全体に恐れられていたのです。

ある日、妻は窓のそばに立ち、庭を見下ろしていました。するとそのとき、とても美しいカブラギキョウ(ラプンツェル)が植えられている花壇が目に入りました。それはとてもみずみずしい緑だったので欲しくなり、どうしてもいくらか食べてみたくてたまりませんでした。この欲求は日増しに強くなり、少しも手に入れることができないと知っているので、妻は とてもやつれて、顔色がわるく、惨めにみえました。それで夫は驚いて、「どうしたんだい?お前」と尋ねました。「ああ、家のうらの庭にあるカブラギキョウをたべられなくちゃ死んでしまうわ。」と妻は答えました。

男は、妻を愛していたので、(妻を死なせるより前に、どんな犠牲を払っても、自分でカブラギキョウをとってこよう)と思いました。それで、たそがれ時になると、塀を越えて魔女の庭に這い下り、急いでひとにぎりのカブラギキョウをつかみとり、妻のところに持っていきました。妻はすぐにサラダをこしらえ、がつがつとそれを食べました。それは妻にとっておいしくーとてもとてもおいしかったので、次の日は以前に増して3倍ほしくなりました。もし気が休まるなら、夫はもう一度庭に下りて行かなければなりませんでした。従って、夫は、夕闇にまぎれて再び降りていきました。しかし、塀を這い下りてしまったとき、ぎょっとしました。というのは目の前に立っている魔女が見えたからです。

怖い顔をして、魔女は「よくも私の庭に下りて泥棒みたいにカブラギキョウを盗むもんだね?こらしめてやる。」と言いました。「ああ、どうかお慈悲をお願いします。どうしても必要でそうすることにしたのです。妻が窓からお宅のカブラギキョウを見て、あまりに欲しくなり、それを食べないと死んでしまうことになるのです。」と夫は言いました。すると魔女は怒りを和らげ、「お前が言うとおりの事情なら、好きなだけカブラギキョウを持っていくのを許してあげよう。ただ一つ条件があるよ、お前の妻が産む子供を私にくれなくてはならないよ。私はその子の面倒をよくみて、母親のように大事にするよ。」と言いました。

男は恐怖のあまり何にでも同意しました。妻が子供を産むと、魔女はすぐに現れ、子供にラプンツェルと名前をつけ、連れて行ってしまいました。ラプンツェルはこの世で最も美しい子供に成長しました。12歳になると、魔女はその子を塔に閉じ込めました。その塔は森の中にあり、階段やドアがありませんでしたが、てっぺんに小さな窓がありました。魔女は、入りたいときは、塔の下に行き、「ラプンツェル、ラプンツェル、私のところに髪を降ろしておくれ。」と叫びました。
ラプンツェルは金糸のようにきれいな素晴らしく長い髪をしていて、魔女の声を聞くと、編んだ髪の房をほどき、上の窓の留め金のひとつにからめました。すると、髪は20エル(=22.8m)下に落ち、魔女はそれで上に登りました。それから1、2年後、王子がたまたま馬で森を通り塔のそばを通りがかりました。

すると歌が聞こえてきて、その歌がとても素敵だったので王子はじっと立って聴きいりました。これはラプンツェルでした。一人ぼっちなので甘い声を響かせて時を過ごしていたのです。王子はそこまで登りたいと思い、塔の入り口を探しましたが、何もみつかりませんでした。馬に乗って家に帰りましたが、その歌声にとても深く感動したので王子は毎日森へでかけて、それに聴きいりました。

あるとき、こうして木のかげに立っていたとき、魔女がそこに来て、「ラプンツェル、ラプンツェル、髪を降ろしておくれ。」と叫ぶのを聞きました。すると、ラプンツェルは編み髪を降ろし、魔女が娘のところに登って行ったのです!「あれが登るためのはしごなら、僕も運を試してみよう。」と王子は言いました。次の日、暗くなり始めたとき、塔に行き、「ラプンツェル、ラプンツェル、髪を降ろしておくれ。」と言いました。途端に、髪が落ちてきて、王子は登りました。

最初、ラプンツェルは、目にしたことが一度もなかったので、男が来たとき、ひどくおびえました。しかし王子は全く友達のように娘に話し始め、とても心をかき乱されたのて気が休まらなかったこと、あなたに会わずにはいられなかったということを告げました。すると、娘は怖がらなくなりました。そして王子が自分を夫にしてくれるかと尋ねると、娘は、王子が若くハンサムなことを知り、名付け親のおばさんよりもっと愛してくれるだろう、と思いました。そして、「ええ」と答え、王子の手をとりました。「喜んであなたのお供をするわ。でもどうやって降りたらいいのかわからないの。」と娘は言いました。

「あなたが来るたびに一かせの絹糸をもってきて。そしたら、それを織り、はしごを作るわ。準備ができたら、降りるから。あなたは馬に乗せて私を連れていくのよ。」そのときが来るまで王子は毎日夜に娘のところに行くことを決めました。というのは、魔女は昼に来たからです。魔女はこういうことを何もきづきませんでした、

ある時ラプンツェルが、「ねぇ、おばさん、あなたは若い王子よりも引き上げるのがうんと重いのはどうしてかしら?あの人はすぐ私のところに来るのよ。」と言うまでは。「ああ、悪い子だね。何ということを聞くのだ?世間全部からお前を離しておいたと思っていたのに。それなのに、お前は私を欺いたんだ。」と魔女は叫びました。そして、怒り狂って、ラプンツェルの美しい髪房をつかみ、左手に2重巻きにすると、右手に鋏をつかみました。チョキン、チョキン。髪は切り落とされ、愛らしい三つ編みが地面に落ちました。そして薄情にも可哀そうなラフンツェルを砂漠に連れていったので、娘はそこで悲しくみじめに暮らさねばなりませんでした。

しかしながら、ラプンツェルを追い出した同じ日に、魔女は、切り落とした三つ編みを窓の留め金に結わえ付けておき、王子がやってきて、「ラプンツェル、ラプンツェル、髪を降ろしておくれ。」と叫ぶと、髪をおろしました。王子は登りました、が、愛するラプンツェルをみつける代わりに、邪悪で悪意に満ちた目でにらみつけている魔女を見たのでした。「ヘエ!」魔女は嘲るように言いました、「お前は愛する人をつかまえたんだ。だけど美しい鳥はもう巣で歌っていないよ。猫がそれを取ってしまったよ、そしてお前の目もひっかき出すのさ。ラプンツェルはみつからないよ。お前は二度と娘に会うことはないさ。」王子は苦しみのあまり我を忘れました。そして絶望して、塔から身をなげました。そして命は助かったものの、落ちたところのイバラが目に突き刺さりました。その後は、全く目が見えないまま森をさまよい、根やベリーを食べ、最愛の妻を失くしてただ嘆いたり泣いたりするだけでした。

こうして何年か惨めに歩き回っていましたが、とうとう、ラプンツェルが、産んだ男の子と女の子の双子と一緒に、惨めに暮らしている砂漠にやってきました。声が聞こえました。その声が王子にはとても聞き覚えがあるように思えて、聞こえた方に行きました。そして近づくと、ラプンツェルは王子の首にすがりすすり泣きました。涙の2つが王子の目を濡らすと、目は澄んで王子は以前のように再び目が見えるようになりました。妻を自分の王国へ連れて行き、二人は喜んで迎えられました。そしてその後、長い間幸せに満ち足りて暮らしました。


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