グリム兄弟のほとんどテイルズ

グリム兄弟 (ページ 2)

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蜜蜂の女王

蜜蜂の女王二人の王様の息子が冒険を求めて出かけましたが、すさんだだらしのない生活にはまってしまったので戻って来ませんでした。末の息子は、抜け作と呼ばれていましたが、兄たちを探しにでかけました。しかしやっと見つけると、兄たちは、ずっと賢いおれたちでもやって行けないのに、このおめでたい弟が世の中を渡れると思ってるとはちゃんちゃらおかしい、とばかり嘲り笑いました。 三人は一緒に旅をしていくと、蟻の巣がありました。すると二人の兄は、これを壊そうぜ、小さなアリのやつら、慌てふためいてうろうろ卵を運んでいくだろうよ、と言いました。しかし抜け作は、「ほっといてやってくれよ、兄さんたちがありの邪魔をするのを黙ってみてられないよ。」と言いました。それから進んでいくと湖にでました。そこにはたくさんのカモが泳いでいました。二人の兄は二、三羽捕まえて焼き肉にしようとしました。しかし抜け作はそれを許そうとしないで、「ほっといてやってくれ。兄さんたちがカモを殺すのは我慢できないよ。」と言いました。 やがて蜂の巣のところにさしかかりました。そこではたくさん蜂蜜があって巣がついている木の幹から垂れていました。二人の兄は、木の下で火を燃やし蜂の息をとめよう、そうして蜂蜜をとろうぜ、と言いました。しかし抜け作はまた二人を止め、「ほっといてやれよ、兄さんたちが蜂を焼くのは黙って見てられないよ」と言いました。 とうとう三人の兄弟はメルヘン 読む →
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白蛇

白蛇昔、知恵があることで国中に評判の王様が住んでいました。王様が知らないことは何もなく、まるで最も秘密なことがらが空中から王様に伝わってくるかのようでした。しかし、王様には奇妙な習慣があり、毎日夕食後、食卓が片付けられ誰もいなくなると、信頼のおける家来がもう一つ料理を持ってこなければならないのでした。しかしその料理はふたをされ、その家来ですら中に何が入っているのか知りませんでした。また他の誰も知りませんでした、というのは王様は全く一人きりになるまでそれを食べるために決してふたをとらなかったからです。 この習慣が暫く続いたある日、家来は、料理を運んでいて、どうしても好奇心をおさえきれなくなって自分の部屋に料理を運びました。用心深くドアに鍵をかけたあと、ふたを持ち上げてみると、皿の上に一匹白い蛇がのっていました。しかし、家来は、その蛇を見ると、食べて味わってみたい気持ちをおさえられず、小さい一切れを切りとって口に入れました。その切り身が舌に触れるや否や、窓の外から小さい声の奇妙なささやきが聞こえてきました。行って耳をかたむけると、スズメがぺちゃくちゃ野や森で見たあらゆることについて話し合っているのでした。蛇を食べたことで動物の言葉を理解する力がついたのでした。 偶然にも、まさにこの日、お妃さまがもっとも美しい指輪を失くして、この家来はどこへ行くことも許されていたので、泥棒の疑いがかかりましメルヘン 読む →
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狼と狐

狼と狐狼は狐を従えていました。狼が望んだことは何でも狐はやらされました。というのは狐の方が弱かったからで、できれば主人と喜んでおさらばしていたでしょう。あるとき二人が森を通っていたとき、狼が、「赤狐、何か食べ物をとってこい、でないとお前自身を食っちまうぞ」と言いました。狐は「2匹の子羊がいる農家の庭を知っています。もしよろしければ1匹とりましょう。」と答えました。狼はそれがいいと思い、二人でそこへ行きました。そして狐は子羊を盗み、狼のところへ持っていき、行ってしまいました。狼はがつがつ子羊を食いましたが、一匹では満足しませんでした。それでもう1匹も欲しくなり、それを手に入れるためでかけました。 しかし狼はやるのがとても下手くそだったので、子羊の母が聞きつけ、激しく叫びたてメエメエなくので、農夫たちがそこへ走ってきました。そして狼を見つけ、とても情け容赦なくぶったので、狼は足を引きずり、うめきながら、狐のところへ行きました。「お前はおれをうまくだましやがったな。もう1匹の子羊も欲しかったのに、農夫たちが急にやってきて、おれをめちゃくちゃにぶちやがった。」と狼は言いました。狐は「どうしてあなたはそんな食いしん坊なんですか?」と言いました。 次の日、二人はまた田舎に行きました。食い意地のはってる狼は、もう一度「赤狐、何か食べ物をとってこい、でないとお前自身を食っちまうぞ」と言いました。すると狐メルヘン 読む →
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二人兄弟

二人兄弟昔、二人の兄弟がいて、一人は金持ちで、もう一人は貧乏でした。金持ちは金細工師で心の悪い人でした。貧しい方はほうき作りをして生計をたてていて、善良で心の清い人でした。この男には子供が二人いて、双子の兄弟で水の2滴のようにお互いにそっくりでした。二人の男の子は金持ちの家に出たり入ったりして、よく残り物をもらって食べていました。あるとき貧しい男がほうきの木をとりに森へ入って行こうとしていたとき、すっかり金色でこれまで出くわしたどの鳥より美しい鳥を見ました。小さな石を拾って投げて、うまく鳥に当たりましたが、1枚の金の羽根だけが落ちてきて、鳥は逃げてしまいました。男は羽根をとって兄のところへもっていきました。兄はそれを見て、「純金だ。」と言って、羽根と交換してたくさんのお金をくれました。次の日、男は樺の木に登り2,3本枝を切り取ろうとしたとき、同じ鳥が飛んで出てきました。それで男が探すと巣があり、中に1個の金でできた卵がありました。男は卵を持ち帰り、兄のところへ持っていきました。兄は今度も「純金だ。」と言って、その卵に相当する金額をくれました。最後に金細工師は「本当に、鳥そのものが欲しいなあ。」と言いました。貧しい男は3回目に森へ入って行き、また金の鳥が木に止まっているのを見ました。それで石をとって鳥を打ち落として、兄のところへ持って行きました。兄はそれと交換に山盛りの金をくれました。男は、メルヘン 読む →
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黄金の鳥

黄金の鳥昔、王様がいて、宮殿の裏に、金のリンゴが実る木がある美しい庭をもっていました。リンゴが熟してくると数がかぞえられましたが、その次の朝、1個がなくなっていました。このことが王様に報告され、王様は、毎晩木の下で見張りをするように、と命令しました。王様には三人の息子がいて、夜がくると長男を庭に送りましたが、真夜中になると、眠気を抑えられず、次の朝またりんごが1個なくなりました。 次の夜、次男が見張りをすることになりましたが、結果は兄と同じく、12時になると眠ってしまい、朝にはりんごが1個なくなっていました。いよいよ3男が見張りをする順番がきて、すっかりその気になっていましたが、王様はこの息子にあまり期待を持たないで、兄たちよりさらに役に立たないだろうと考えましたが、とうとう行かせました。若者は木の下に横になりましたが、目を覚まして、眠気に負けないようにしていました。12時を打つと、何か空をバサバサという音をさせ、月の明かりで羽が金で輝いている鳥が来るのが見えました。 鳥は木に止まると、リンゴを1つとりました。そのとき若者は鳥めがけて矢を射ました。鳥は飛んで去りましたが、矢は羽にあたり、金の羽の一枚が落ちてきました。若者はそれを拾い、次の朝王様のところに持って行って、夜に見たことを話しました。王様が相談役たちを呼び集めると、みんなが、このような羽は王国全部以上に価値がある、と言いました。もメルヘン 読む →
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こわがることをおぼえるために旅にでた若者

こわがることをおぼえるために旅にでた若者ある父親に息子が二人いました。兄は賢くて気が利き、何でも出来ましたが、弟はまぬけで、何も習い覚えないし何もわかりませんでした。人々は弟を見ると、「父親に厄介をかけそうなやつがいる。」と言いました。何かしなければならないことがあると、それをやらされるのはいつも兄でしたが、しかし、時間が遅いとか夜に、道が墓地や他の陰気な場所を通るときに、父親が何かとってくるようにいいつけると、「えっ、嫌だよ、お父さん、そこには行かないよ。ぞっとするもの。」と答えました。兄は怖かったからです。また、夜に暖炉のそばで気味の悪い話がされると、聞いている人たちが時々「ええっ、ぞっとするよ。」と言いました。弟はすみに座って、他の人たちと一緒に聞き、どういうことを言ってるのかわかりませんでした。「いつも『ぞっとする、ぞっとする、ぞっとしない』と言ってるな。それも僕がわからない技にちがいない。」と弟は考えました。 さて、ある日、父親が弟に「よく聞けよ、そこのすみのやつ、お前は大きくなって力もでてきた。お前も自分で食っていく何かを習わなくちゃな。見てみろ、お前の兄はしっかり働いている。だが、お前はこれっぽちも稼がないんだからな。」と言いました。「それでね、お父さん」と弟は答えました。「何かを習いたい気はうんとあるんだ。本当に、もしやれるなら、ぞっとする方法を習いたいんだ。まだそれが全然わからないんだよ。」兄はこれを聞メルヘン 読む →
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兄と妹

兄と妹兄は妹の手をとり、「お母さんが亡くなってから僕たちは全然幸せじゃないね。義理のお母さんは毎日僕たちをぶって、近くへ寄ると足で蹴ったり。ごはんは残り物のパンくずだし。テーブルの下にいる犬の方がましな暮らしをしてるよ。だって、あの人は選んだご馳走をよく投げてやってるもの。ああ、お母さんが生きててくれればなあ。さあ、僕たちは広い世の中に出ていこう。」と言いました。 二人は草地や野原や岩地を越えて丸一日歩きました。そして雨が降ると妹は「天と私たちの心が一緒に泣いてる。」と言いました。夜になって大きな森に着きました。悲しみと空腹と長歩きのためとても疲れていたので木のほらに横になり、眠りました。次の日、太陽はすでに空高くのぼっていて、木の中を暑く照らしていました。それで兄は「妹よ、僕はのどがかわいた。小さな小川のことを知ってれば、行って水を飲むのだけど。水の流れる音が聞こえるような気がする。」と言いました。兄は立ち上がって妹の手をとりました。それから二人で小川を探しに出発しました。しかし意地が悪い継母は魔女でした。そして二人の子供たちが出ていく様子を見ていて、密かに、魔女が忍び寄るやり方で、あとをつけていて、森の小川に全部魔法をかけていたのでした。 さて、石に明るくはねている小川を見つけたとき、兄はそこから水を飲もうとしました。しかし妹は水が流れながら「ここから水を飲む者はトラになる。ここからメルヘン 読む →
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奇妙な音楽家

奇妙な音楽家昔、不思議な音楽家がいました。この音楽家が、まったく一人で森を通っていろいろなことを考えていましたが、何も考えることが残ってなくなった時、(この森では時間の経つのがいやに遅いなあ。いい連れを見つけよう。)と思いました。それから、背中からバイオリンをとり、ひくと、音が木々の間にこだましました。まもなく一匹の狼が茂みから駆けてきました。「ああ、狼が来るよ。狼は欲しくないな。」と音楽家は言いましたが、狼は近づいて来て、「ああ、音楽家さん、なんてきれいにひくんでしょう。私もそれを習いたいです。」と言いました。「すぐに習えるよ。」音楽家は言いました。「私がいいつける何でもやりさえすればいいんだ。」「まあ、音楽家さん、生徒が先生に従うように、私はあなたに従います。」と狼は言いました。音楽家は狼についてくるように言いました。しばらく道を進んだ時、中にうろがあり真ん中が割れている古い樫の木のところに来ました。「見ろよ、バイオリンを習うなら、前足をこの割れ目に入れろ。」と音楽家は言いました。狼は従いました。しかし、音楽家は素早く石を拾い、ひとうちであっというまに二本の前足をくさびのように押し込んだので、狼は囚われてそこにいるしかなくなりました。「私が戻るまでそこで待ってろ。」と音楽家は言って、道を進みました。 しばらくして、音楽家は、「この森では時間の経つのがいやに遅いなあ。別の連れをこっちへ呼ぼうメルヘン 読む →
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ヨリンデとヨリンゲル

ヨリンデとヨリンゲル昔、大きなうっそうとした森の真ん中に古い城があり、そこには魔女のばあさんがひとりっきりですんでいました。ばあさんは昼は猫やふくろうに変身しましたが、日が暮れるとまたふつうの人間の姿になりました。また、けものや鳥をおびき寄せ、殺して煮たり焼いたりしました。城から百歩内に入った人は、立ち止まったきり、ばあさんが魔法を解くまでその場から動けなくなりました。しかし、けがれのない娘がこの範囲に入ると、ばあさんはその娘を鳥に変え、柳の鳥かごに閉じ込め、城の部屋に運び込みました。城の中には珍しい鳥のかごが七千ほどありました。 さて、あるとき、ヨリンデという娘がいて、他のどの娘よりもきれいでした。ヨリンデとヨリンゲルというハンサムな若者は結婚の約束をしていました。二人はまだいいなずけの日々を過ごし、一緒にいることが一番の幸せでした。ある日、静かに語り合うために二人は森へ散歩にいきました。「気をつけて」とヨリンゲルは言いました。「城に近づきすぎないように。」美しい夕方でした。太陽が木々の幹の間から暗い森の緑に明るく射し込み、キジバトがブナの木の上でもの悲しく鳴いていました。ヨリンデは時々泣き、日なたに腰を下ろすと切なそうにしていました。ヨリンゲルも悲しく、二人は今にも死ぬかと思うくらい切なかったのです。そのとき二人は周りを見回して、すっかり途方にくれました。というのは家に帰る道がわからなかったからでメルヘン 読む →
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月

月昔、夜はいつも暗く空が黒い布のようにおおっている国がありました。というのはそこには月が昇らず、星も暗闇に輝くことがなかったからです。世界を創造したときは夜の光は十分あったものですから。あるとき、四人の若者がこの国を出て旅にでかけ、よその国に着きました。そこでは太陽が山のかげに沈んでしまったあと、樫の木に光る玉が置かれ、あたりに柔らかい光を投げかけていました。このため、太陽ほどまばゆくはありませんでしたが、何でもとてもよく見えて、見わけがつきました。旅人たちは立ち止まって荷馬車で通りすぎていく村人に、「あれはどういう明かりですか?」と尋ねました。 「あれはお月さまですよ。」と村人は答えました。「私たちの村長が三ターラーで買って来て、それを樫の木に止めたんです。村長は、いつも明るく燃えるように毎日油を注いでやりきれいにしておかなくてはいけないんですよ。その分私たちは村長に毎週一ターラー払うんです。」村人が行ってしまうと、旅人の一人が「このランプは役に立つぜ。故郷にこれと同じくらい大きい樫の木が一本ある。そこに吊るせるよ。夜に暗闇を手さぐりしなくてよくなれば、楽しいだろうな。」「いいかい、こうしようよ」と二番目の若者が言いました。「荷車と馬をとってきて、お月さまを運んで行こう。ここの人たちはまた別のを買うだろうよ。」「おれは木登りがうまいぜ。あれをとってくるよ。」と三番目の若者が言いましメルヘン 読む →
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12人兄弟

12人兄弟昔、一緒に幸せに暮らし、12人の子供がいる王様とお后様がいました。しかし子供たちはみんな男の子で、あるとき王様は「今度生まれてくる13人目の子供が女の子なら、その子の財産が大きくなって国がその子だけのものになるように、12人の男の子は殺そう。」と妻に言いました。王様は12個の棺まで作らせ、もうかんなくずも詰められて、それぞれに小さな死枕もありました。そしてその棺を錠をかけた部屋に持っていかせ、その鍵をお后に渡して、だれにもこのことを話さないようにと命じました。 しかし、母親は今や一日中座って嘆いていました。それでとうとう、いつも母親と一緒にいて、聖書からベンジャミンと名づけていた一番下の息子が、「お母様、どうしてそんなに悲しいの?」と訊きました。 「かわいい子よ、お前に言えないのだよ。」とお后は答えました。しかし、息子がしきりに聞くのでとうとうお后は行って部屋の鍵をはずし、かんなくずが詰められ準備ができている12個の棺を見せました。それから、「かわいいベンジャミンや、お前の父はこれらの棺をお前とお前の兄たちのために作らせたのだよ。それも、私が女の子を産んだら、お前たちはみんな殺されこの棺に埋められることになっているの。」と言いました。こう言っている間も泣いているので、息子は慰めて、「泣かないで、お母様、僕たちは助かってここを出て行くよ。」と言いました。しかしお后は「11人の兄たちとメルヘン 読む →
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幸せハンス

幸せハンスハンスは主人に七年仕えました。それで主人に「だんなさま、年季が明けました。もうくにの母のところに帰りたいんです。お手当をください。」と言いました。主人は「お前はかげひなたなくよく働いてくれた。それだけちゃんと手当てもはずむぞ。」と答えて、ハンスに頭と同じくらい大きい金の塊を渡しました。ハンスはポケットからハンカチを引っ張り出し、その塊を包んで肩にかけ、故郷に帰りはじめました。 足を交互に出しながら進んでいくと、馬に乗った人が目にとまりました。元気のよい馬に乗って速く楽しそうに走っていくのです。「いいなあ!」とハンスは大声で言いました。「馬で行くってなんていいんだろう。椅子に座っているようにして、石につまずかないし、靴は擦り減らないし、それで知らないうちに先へ進むんだもんなあ。」馬の乗り手はその声が聞こえて止まり、「やあ、ハンス、じゃどうして歩いているんだい?」とさけびました。「歩かなくちゃいけないんですよ。」とハンスは答えました。「この塊を家に持って行くもんでね。確かに金なんだけど、このせいで頭をまっすぐにあげられないし、肩は痛いし。」「なあ」と乗り手が言いました。「取り変えようか。お前に馬をやろう、お前はその塊を私にくれよ。」「喜んで」とハンスは言いました。「だけど言っておきますよ、あんたはこの塊を這いつくばって運ばなくちゃなりませんよ。」乗り手は降りて金を受け取り、ハンスを馬にメルヘン 読む →
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歌う骨

歌う骨昔、ある国で、農地を荒らし、家畜を殺し、牙で人の体を引き裂くイノシシがいて、人々は大いに嘆いておりました。王様は、この悩みの種を国からなくしてくれる者に沢山のほうびをとらすと約束しました。しかし、その獣はとても大きくて強いので、誰もあえてそれが住んでいる森に近づこうとはしませんでした。とうとう王様は、そのイノシシをつかまえるか殺した誰でも自分の一人娘を妻にできるとお触れを出しました。 さて、その国に、貧しい男の息子の二人兄弟が住んでいました。兄はずる賢く抜け目がないのでうぬぼれから、弟は素朴で真面目なので親切心から、この危険な仕事を喜んでひきうけると名乗りを上げました。王様は「もっと確実に獣を見つけるためには、二人は森へ反対側からはいらねばならない。」と言いました。それで兄は西側から、弟は東側から入りました。弟が少し行くと、小人が彼に近づいてきました。彼は手に黒いヤリを持ち、「お前の心は純粋でよいからこのヤリをあげよう。このヤリでお前は堂々とイノシシを攻撃できる、そしてそれはお前に危害を加えないのだ。」と言いました。弟はその小人に礼を言い、ヤリを肩にかけると、恐れることなく進んでいきました。 まもなく、その獣がみえました。弟をめがけて突進してきましたが、しかし、ヤリをそちらにむけて構えていて、イノシシはやみくもな激しさでヤリに突進したので心臓が二つに割れてしまいました。それからそのメルヘン 読む →
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つぐみの髭の王さま

つぐみの髭の王さまある王様に、はかり知れないほど美しい娘がいました。けれどとても高慢でその上横柄なので、どの求婚者も娘の気にいらなくて、求婚者を次々と追い返し、意地悪く笑い者にもしました。 あるとき、王様は大宴会を開き、そこへ遠近から結婚の相手となりそうな若者を招きました。若者たちは身分と地位に従って全員一列に整列させられました。最初は王様で、次は公爵、次は王子、伯爵、男爵、紳士階級がきました。それから王様の娘はそれぞれの身分の人の間を案内されましたが、どの人にもなにか異議を唱えました。一人は太りすぎていて、「酒樽ね」、背が高すぎると「やせでのっぽ、まるで役立たずね。」3人目は背が低すぎて「ちびのでぶはのろまよ。」、4人目は顔色が悪過ぎて「死神みたいね。」、5人目は顔が赤過ぎて、「見事なおんどりね。」、6人目は体が真直ぐでないので、「ストーブの後ろの乾かされた生木。」と言いました。 そんなふうに娘は一人ひとりに何か文句をつけましたが、列のかなり高い地位にいたりっぱな王様には特にはしゃいで、あごがすこし曲がっていたので、「ほら見て、つぐみのくちばしみたいなあごをしているわ。」と叫んで笑いました。その時からこの人はつぐみひげの王様の名前をもらいました。 しかし年とった王様は、娘が人々をあざ笑う以外何もしないで、そこに集まった求婚者みんなをばかにしたのを見ると、とても怒って、戸口に来た最初の乞食を娘の夫にメルヘン 読む →
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踊ってすりきれた靴

踊ってすりきれた靴昔、どの娘も他の娘におとらないくらい美しい12人の娘がいる王様がいました。娘たちはみなベッドが並んでいる一つの部屋で一緒に眠っていました。そして娘たちがベッドに入ると王様は戸に鍵をかけかんぬきをしました。しかし、朝に戸の鍵をはずすと、王様は娘たちの靴が踊りですりきれているのがわかり、だれもどうしてそうなるのか発見できませんでした。それで、王様は、娘たちが夜どこで踊っているのか発見した者には娘の一人を妻に選ばせ、自分の死後王にする、但し、申し出て3日3晩のうちに発見できなかったものは命を差し出さねばならない、というお触れを出しました。 まもなく一人の王子が出て、この企てを引き受けると申し出ました。王子は暖かく迎えられ、夜には王女たちの寝室の隣の部屋に案内されました。王子のベッドはそこにおかれ、娘たちがどこへ行っておどるのか見ることになっていました。そしてこっそりと何かしたり他の場所に行かないように娘たちの部屋の戸は開けておかれました。しかし、王子のまぶたは鉛のように重くなり、眠ってしまいました。そして朝目覚めてみると、12人の娘はみな踊りに行ってきていました。というのは靴の底に穴があいていたからです。2日目と3日目の夜も違いがなく、それで王子の頭は情け容赦なくうちおとされました。 このあと他にもたくさんの人が来て、その企てを引き受けましたが、全員が命を落としました。さて、怪我をしてもメルヘン 読む →
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六羽の白鳥

六羽の白鳥昔、ある王様が大きな森で狩りをしていて、野生の動物をとても熱心に追いかけたので従者のだれもあとについていけませんでした。夜が近づいてきて止まり、周りを見回すと道に迷ったことがわかりました。出口を探しましたが、まるで見つかりませんでした。それからしきりに頭を縦に振っている老婆が自分の方に来るのに気付きました。しかし、その老婆は魔女でした。「おばあさん、森を抜ける道を教えてもらえませんか?」と王様は老婆に言いました。「いいですよ、王様。」と老婆は答えました。「もちろんいいですよ。だけど、1つ条件があります。もしそれを果たさなければ絶対森からでられなくて森の中で餓死するでしょう。」と老婆は答えました。 「それはどんな条件だね?」と王様は尋ねました。「私には娘が一人いる。世界のだれよりも美しく、あなたの妃になる価値は十分あります。もし娘を妃にするなら、森から出る道を教えましょう。」と老婆は言いました。心苦しいままに王様は承知しました。そして老婆は王様を小さな小屋に連れて行き、娘は暖炉のそばに座っていて、まるで予期していたように王様を迎えました。王様は娘がとても美しいとわかりましたが、それでも気に入りませんでした。そして心ひそかにぞっとしないでは見られませんでした。王様が娘を馬に乗せ、老婆が道を案内して王様は再び王宮に着きました、そして結婚式が祝われました。 王様はすでに一度結婚したことがあメルヘン 読む →
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おいしいお粥

おいしいお粥母親と二人だけで暮らしている、貧しいけれど心のやさしい女の子がいました。二人にはもう食べるものがなくなったので、子供は森へ入って行き、そこでおばあさんと出会いました。おばあさんは子供の悲しみを知って、ちいさな壺をあげました。その壺は「煮て、壺よ、煮て」と言えば、良いおいしいおかゆを作り、「止まって、壺よ、止まって」と言えば作るのをやめるのです。女の子はそのつぼを母親のところに持って帰り、もう貧乏と空腹から救われ、好きなだけおいしいおかゆを食べました。 女の子がでかけていたあるとき、母親は「煮て、壺よ、煮て」と言いました。それで壺は煮て、母親は満腹するまで食べました。それで壺に作るのを止めて欲しかったのですが、言葉を知りませんでした。それで壺はどんどん作り続け、おかゆがふちをこえてあふれてきました。それでも作り続け、台所と家中がいっぱいになりました。それから、隣の家が、それから通りが、いっぱいになり、まるで世界中の空腹を満たしたいかのようでした。とても困りましたが、だれも壺の止め方を知りませんでした。 とうとうただ一つの家が残ったとき、子供が帰ってきて、「止まって、壺よ、止まって」と言いました。それで壺は止まって作るのを止めました。町へ戻りたい人はみんな帰り道を食べて帰らなくてはなりませんでした。メルヘン 読む →
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勇ましいちびの仕立て屋

勇ましいちびの仕立て屋ある夏の朝、小さな仕立て屋は窓のそばの仕事台に座って、機嫌がよく一生懸命縫っていました。すると、下の通りをお百姓の女が、「いいジャムだよ、安いよ、いいジャムだよ、安いよ」と叫んで来ました。これは仕立て屋の耳に心地よく聞こえました。仕立て屋はきゃしゃな頭を窓から伸ばし、「ここへ来てよ、おばさん、ここで品物が売れるよ。」と呼びました。女は重いかごを持って3段あがって仕立て屋のところに来ました。そして仕立て屋は女につぼを全部広げさせ、全部を調べ、持ち上げ、鼻で匂いを嗅ぎ、やっと、「おばさん、そのジャムはおいしそうだ。だから4オンス測ってくれ。四分の一ポンドでも構わないよ。」と言いました。 たくさん売れると思っていた女は、仕立て屋が望んだものを渡しましたが、ぷんぷん怒ってぶつくさ言いながら立ち去りました。「さて、このジャムを神様が祝福してくださいますように」と小さな仕立て屋は叫びました。「そして食べた私に健康と力を与えてくださいますように。」それで戸棚からパンを出し、ちょうど半分に切り、ジャムを塗りました。「これは苦くないだろう。」と仕立て屋は言いました。「だが食べる前に、上着を終わらせよう。」パンを近くに置いて、縫い続け、楽しくて、縫い目がだんだん大きくなりました。そのうちに甘いジャムの香りが壁に立ち昇り、そこにたくさんいたハエが匂いに惹かれて下りてきてパンにたかりました。「うわっ、誰がメルヘン 読む →
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トゥルーデおばさん

トゥルーデおばさん昔、分からず屋で詮索好きな女の子がいました。両親が何かするように言ってもいうことをききませんでした。ですから、どうやってうまくやれるでしょうか。 ある日、その子は両親に言いました。「トルーデおばさんの噂をたくさん聞いたことがあるわ。いつかその人のところへ行ってみよう。その人のいろんなことが変わってて、家の中にはとても変なものがあるっていうから、とても知りたくなったわ。」両親は断固として禁じて、「トルーデおばさんは悪い人だよ、わるいことをするんだ。もしお前が行くなら、もう家の子じゃないよ。」と言いました。 しかし娘は両親の禁止に耳をかさず、やはりトルーデおばさんのところに行きました。娘がやってくるとトルーデおばさんが聞きました。「おまえは、どうしてそんなに青い顏をしているんだい?」 娘はからだ全体をふるわせながら、答えました。「見たものがとてもこわくって。おばさんの家の階段で、まっ黒な人を見たのよ」「それは、炭を焼く男さ」「それから、緑の男も見たわ」「それは、狩人だよ」「そのあとに、血みたいにまっ赤な男に会ったわ」「それは、獣を殺す男だよ」「ああ、怖かったわ、トルーデおばさん。家のまどから見たら、あなたではなくって、本当にそう思うんだけど、頭が火で燃えている悪魔が見えたの」「ほおー!じゃあ、おまえはちゃんとした衣装の魔女を見たんだね。わたしはおまえをずっと待っていたんだ。もう長い間おメルヘン 読む →
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熊の皮

熊の皮昔、兵士になり、勇敢に戦い、弾が雨あられと降る中でいつも先頭にたっていた若い男がいました。戦争が続いていた間は万事うまくいっていましたが、平和になるとクビを切られ、隊長が「好きなところへ行ってよいぞ。」と言いました。両親は死んでいて、もう家がなく、それで兄たちのところへ行って、戦争が始まるまで自分を置いて養ってほしいと頼みました。しかし、兄たちは心が冷たく、「おれたちがお前に何をしてやれるってんだ?お前は何の役にも立たない。行って自分でかせげよ。」と言いました。兵士には銃しか残っていなかったので、その銃を肩にかけ、世間に出て行きました。 兵士は広い荒野に来ました。そこには円になった木々以外何も見えませんでした。兵士はその木々の下に悲しげに腰を下ろし、自分の運命について考え始めました。(金はないし、戦うことの他は何も仕事を覚えなかったしなあ。平和になっちゃったらもうおれは要らないよな。この先飢え死にしちゃうって今からわかるよな。)と思いました。突然ガサガサという音が聞こえ、兵士が見回すと、目の前に見知らぬ男が立っていました。その男は緑の上着を着て本当に立派にみえましたが、忌わしいひづめの足(注)をしていました。「お前が何に困っているかもう知ってるよ。」と男は言いました。「何をしようとお前が使い放題の金や財をやろう。だがまず、お前が恐れ知らずかどうか知らなくてはならないな、金を無駄にあメルヘン 読む →
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鉄のハンス

鉄のハンス昔、一人の王様がいました。王様は、宮殿の近くには大きな森をもっていて、あらゆる種類の動物がいっぱいいました。ある日王様はノロジカを撃たせるため一人の猟師を送り出しましたが、猟師は戻ってきませんでした。「たぶん何か事故が起こったんだろう」と王様は言い、次の日、その猟師を探しにさらに二人の猟師を送り出しましたが、その二人も帰ってきませんでした。それで3日目には王様は猟師全員に、「森をくまなく探せ、3人全員を見つけるまであきらめるな。」と言って送り出しました。しかし、これらの猟師たちの誰もまた帰って来ませんでした。また一緒に連れて行った犬の群れも一匹も見られませんでした。そのときから、もう誰も森へ入ろうとはせず、森は暗く静かでひっそりしており、何も見られず、ただ時々ワシやタカがその上を飛んでいるだけでした。 こういう状態が何年も続いたあるとき、見知らぬ猟師が職を求めて王様に取り次ぎを願い、危険な森へ入ろうと申し出ました。ところが王様は承知しないで、「あそこは安全でないのだ。お前も他の者たちと同じ目にあうのではないか。二度と出てこれなくなるだろう。」と言いました。猟師は、「陛下、危険は承知の上です。怖くはありません。」と答えました。それで、猟師は犬を連れて森へ入りました。まもなく犬が道の獲物をかぎつけて追いかけようとしましたが、二足ほど走るとすぐ深い池の前に出て、それ以上進めなくなりましたメルヘン 読む →
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金の毛が3本生えた鬼

金の毛が3本生えた鬼昔、1人の貧しい女がいて、男の子を産みましたが、羊膜を付けて生まれたので14歳になると王様の娘を妻にするだろうと予言されました。その後まもなく、たまたま王様が村にやってきて何かニュースがあるかと尋ねると、誰も王様だと知らなかったので、人々は「羊膜をつけた子が生まれましたよ。そんなふうに生まれた子は何をしてもうまくいくんです。14歳になると王様の娘を妻にするだろうと予言もされています。」と答えました。 王様は、悪い心をもっていたので、その予言に怒って、両親のもとへ行くと、とても愛想良くし、「貧しい人達よ、子供を預からせてくれれば世話をするよ。」と言いました。初め両親は断りましたが、その見知らぬ人が沢山の金をくれると言うので、「幸運の子供なのだから、その方が万事うまくいくにちがいない」と考え、とうとう承諾し、子供をあげました。 王様は子供を箱に入れ、馬に乗っていきましたが、深い川のところまで来ると、箱を川に投げ入れ、「これで望ましくない求婚者から娘を自由にしたわい。」と考えました。 しかし、その箱は沈まず、船のように浮かんで、一滴の水もしみ込みませんでした。そして、王様の首都の2マイル内まで漂っていくと、水車があって水車ダムで止まりました。水車番が運良くそこに立っていて、箱に気づき、鉤で引っ張りあげました。大きな宝物を見つけたと思っていたのですが、開けてみると、中には元気で生き生きしたメルヘン 読む →
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命の水

命の水昔、病気の王様がいましたが、誰も王様がその病気から回復すると信じませんでした。王様には3人息子がいて、王様の病気を悲しんで宮廷の中庭に降りて行き、泣きました。そこへおじいさんが来て、なぜ悲しんでいるのか、と尋ねました。息子たちは、父親の病いが重く、どうにも治しようがないので死んでしまうだろう、と言いました。するとおじいさんは、「私はもうひとつの薬のことを知ってるよ。それは命の水だ。それを飲めばまた良くなるが見つけるのが難しいんだ。」と言いました。一番上の息子は、「なんとか見つけてみせる。」と言い、病気の王様のところへ行き、命の水を探しに行くことをお許しください、それだけがお父さんを救えるのですから、とお願いしました。「だめだ」と王様は言いました。「危険が大きすぎる、それよりむしろ私は死んだ方がましだ。」 しかしあまりしつこく頼むので、王様は了承しました。王子は心の中で、「僕が水を持ってくれば、お父さんに一番かわいがられ、国を継ぐことになる。」と考えました。それで王子は出発し、馬で少し行くと、道に小人が立っていて、王子に呼びかけ、「急いでどこへ行くんだい?」と言いました。「馬鹿なチビめ」と王子は、とても傲慢に言いました。「お前に関係ないだろ。」そして馬で進みました。しかし小人は怒って悪い願かけをしました。この後まもなく王子は渓谷に入りましたが、行けば行くほど山同士が近づいていき、とうメルヘン 読む →
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忠実なジョン

忠実なジョン昔、年老いた王様がいて、病気で「私は死の床に寝ているにちがいない」と考え、「フェイスフルジョンを呼べ。」と言いました。フェイスフルジョンは、生涯ずっと王様に誠実だったので、そのためそう呼ばれたのですが、お気に入りの家来でした。それで、ベッドのそばにくると王様は「最も忠実なジョンよ、私の終わりが近づいているようだ。息子を除いては何も心配はない。あれはまだ弱冠者で、必ずしも判断がつくわけではない。お前があれに知るべきことを全部教え、養い親になると約束してくれねば、わしは安らかに目を閉じることが出来ぬ。」と言いました。それでフェイスフルジョンは「王子様を見捨てません。命にかけても忠実にお仕えします。」と答えました。これを聞いて王様は「これで心安らかに死ねる。」と言い、「わしが死んだ後、息子に城じゅうを見せよ。全ての部屋、廊下、貯蔵庫、その中の宝全てをな。だが、長い通路の一番奥の部屋を見せてはならぬ。そこには黄金の城の王女の絵があるが、もしその絵を見れば、息子は激しい恋におち、失神して倒れ、彼女のために大きな危険を冒すだろう。ゆえに、お前は息子をそれから守らねばならぬ。」と付け加えました。そしてフェイスフルジョンが、年老いた王様にこれについても再び約束すると、王様はもう何も言わず、枕に頭をのせ、死にました。 老王が墓に運ばれてしまったとき、フェイスフルジョンは、若い王様に、死の床で父親に約メルヘン 読む →