グリム兄弟のほとんどテイルズ

グリム兄弟 (ページ 2)

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ジメリの山

ジメリの山昔、二人の兄弟がいました。兄は金持ちで弟は貧乏でした。ところが金持ちの兄は貧しい弟に何もあげませんでした。それで弟は穀物を売ってやっと暮らしをたてていましたが、ひどい時はおかみさんや子供に食べさせることもできませんでした。あるとき、手押し車を押して森を通っていると、片側に大きな木が生えていない禿げ山が見えました。弟は前にその山を見たことがなかったので、立ち止まって呆気にとられて眺めました。 こうして立っていると、12人の大きな荒くれ男たちがやってくるのが見え、弟はその男たちが強盗に違いないと思ったので、手押し車をやぶの中に押し込め自分は木に登って、何が起こるか見ようと待っていました。ところが12人の男たちはその山に行き、「ゼムジ山、ゼムジ山、開け」と叫びました。途端に木の無い山は真ん中がぱくっと開き、12人は中に入って行き、みんなが入ってしまうとすぐ山は閉じました。 しばらくすると山は再び開き、男たちは重い袋を肩にかけて出てきて、みんながまた明るいところにでてしまうと「ゼムジ山、ゼムジ山、閉じろ」と言いました。すると山は閉じて、もうその山に入口は見えなくなり、12人は立ち去りました。男たちがすっかり見えなくなると、貧しい男は木から下りて、山に何が密かに隠されているのか知りたくてたまらなくなりました。そこで、山に近づき、「ゼムジ山、ゼムジ山、開け」と言いました。すると山は弟の言葉にもメルヘン 読む →
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蜜蜂の女王

蜜蜂の女王二人の王様の息子が冒険を求めて出かけましたが、すさんだだらしのない生活にはまってしまったので戻って来ませんでした。末の息子は、抜け作と呼ばれていましたが、兄たちを探しにでかけました。しかしやっと見つけると、兄たちは、ずっと賢いおれたちでもやって行けないのに、このおめでたい弟が世の中を渡れると思ってるとはちゃんちゃらおかしい、とばかり嘲り笑いました。 三人は一緒に旅をしていくと、蟻の巣がありました。すると二人の兄は、これを壊そうぜ、小さなアリのやつら、慌てふためいてうろうろ卵を運んでいくだろうよ、と言いました。しかし抜け作は、「ほっといてやってくれよ、兄さんたちがありの邪魔をするのを黙ってみてられないよ。」と言いました。それから進んでいくと湖にでました。そこにはたくさんのカモが泳いでいました。二人の兄は二、三羽捕まえて焼き肉にしようとしました。しかし抜け作はそれを許そうとしないで、「ほっといてやってくれ。兄さんたちがカモを殺すのは我慢できないよ。」と言いました。 やがて蜂の巣のところにさしかかりました。そこではたくさん蜂蜜があって巣がついている木の幹から垂れていました。二人の兄は、木の下で火を燃やし蜂の息をとめよう、そうして蜂蜜をとろうぜ、と言いました。しかし抜け作はまた二人を止め、「ほっといてやれよ、兄さんたちが蜂を焼くのは黙って見てられないよ」と言いました。 とうとう三人の兄弟はメルヘン 読む →
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狼と狐

狼と狐狼は狐を従えていました。狼が望んだことは何でも狐はやらされました。というのは狐の方が弱かったからで、できれば主人と喜んでおさらばしていたでしょう。あるとき二人が森を通っていたとき、狼が、「赤狐、何か食べ物をとってこい、でないとお前自身を食っちまうぞ」と言いました。狐は「2匹の子羊がいる農家の庭を知っています。もしよろしければ1匹とりましょう。」と答えました。狼はそれがいいと思い、二人でそこへ行きました。そして狐は子羊を盗み、狼のところへ持っていき、行ってしまいました。狼はがつがつ子羊を食いましたが、一匹では満足しませんでした。それでもう1匹も欲しくなり、それを手に入れるためでかけました。 しかし狼はやるのがとても下手くそだったので、子羊の母が聞きつけ、激しく叫びたてメエメエなくので、農夫たちがそこへ走ってきました。そして狼を見つけ、とても情け容赦なくぶったので、狼は足を引きずり、うめきながら、狐のところへ行きました。「お前はおれをうまくだましやがったな。もう1匹の子羊も欲しかったのに、農夫たちが急にやってきて、おれをめちゃくちゃにぶちやがった。」と狼は言いました。狐は「どうしてあなたはそんな食いしん坊なんですか?」と言いました。 次の日、二人はまた田舎に行きました。食い意地のはってる狼は、もう一度「赤狐、何か食べ物をとってこい、でないとお前自身を食っちまうぞ」と言いました。すると狐メルヘン 読む →
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兄と妹

兄と妹兄は妹の手をとり、「お母さんが亡くなってから僕たちは全然幸せじゃないね。義理のお母さんは毎日僕たちをぶって、近くへ寄ると足で蹴ったり。ごはんは残り物のパンくずだし。テーブルの下にいる犬の方がましな暮らしをしてるよ。だって、あの人は選んだご馳走をよく投げてやってるもの。ああ、お母さんが生きててくれればなあ。さあ、僕たちは広い世の中に出ていこう。」と言いました。 二人は草地や野原や岩地を越えて丸一日歩きました。そして雨が降ると妹は「天と私たちの心が一緒に泣いてる。」と言いました。夜になって大きな森に着きました。悲しみと空腹と長歩きのためとても疲れていたので木のほらに横になり、眠りました。次の日、太陽はすでに空高くのぼっていて、木の中を暑く照らしていました。それで兄は「妹よ、僕はのどがかわいた。小さな小川のことを知ってれば、行って水を飲むのだけど。水の流れる音が聞こえるような気がする。」と言いました。兄は立ち上がって妹の手をとりました。それから二人で小川を探しに出発しました。しかし意地が悪い継母は魔女でした。そして二人の子供たちが出ていく様子を見ていて、密かに、魔女が忍び寄るやり方で、あとをつけていて、森の小川に全部魔法をかけていたのでした。 さて、石に明るくはねている小川を見つけたとき、兄はそこから水を飲もうとしました。しかし妹は水が流れながら「ここから水を飲む者はトラになる。ここからメルヘン 読む →
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腕利き四人兄弟

腕利き四人兄弟昔、四人の息子がいる貧しい男がいました。息子たちが大人になると、男は兄弟に、「子供たちよ、お前たちはもう世の中に出ていかなくてはいけないな。というのもおれはお前たちにやるものが何もないんだ。だから、出発して、よそへ行き、手仕事を身につけ、自分の道を進めるかやってみろよ。」と言いました。それで四人の兄弟は杖を持ち、父親に別れを告げ、一緒に町の門を通って出ていきました。しばらく歩いた後で、4つの違った方向に分かれている交差路に来ました。すると、長男が、「ここでわれわれは別れなくてはならない。だが4年後の今日、またここで会うことにしよう。その間に運を試すんだ。」と言いました。 それから、それぞれが自分の道を進み、長男は一人の男に会いました。男は、どこに行くのか、何をするつもりか、と尋ねました。「仕事を身につけたいのです。」と長男は答えました。すると男は、「おれと一緒に来て、泥棒になれよ。」と言いました。「いや、それはりっぱな仕事とは見られないですよ。しまいには、首つり台で揺れなくてはなりません。」と長男は答えました。「なんだ、首つり台を怖がらなくていいさ。おれは、ほかの人がだれも手にできなくて、だれもおまえをかぎつけないようなものを手に入れることを教えるだけだよ。」と男は言いました。それで長男は説得されて、男と一緒にいる間に、優れた泥棒になり、とても器用だったので、いったん目をつけたら、メルヘン 読む →
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こわがることをおぼえるために旅にでた若者

こわがることをおぼえるために旅にでた若者ある父親に息子が二人いました。兄は賢くて気が利き、何でも出来ましたが、弟はまぬけで、何も習い覚えないし何もわかりませんでした。人々は弟を見ると、「父親に厄介をかけそうなやつがいる。」と言いました。何かしなければならないことがあると、それをやらされるのはいつも兄でしたが、しかし、時間が遅いとか夜に、道が墓地や他の陰気な場所を通るときに、父親が何かとってくるようにいいつけると、「えっ、嫌だよ、お父さん、そこには行かないよ。ぞっとするもの。」と答えました。兄は怖かったからです。また、夜に暖炉のそばで気味の悪い話がされると、聞いている人たちが時々「ええっ、ぞっとするよ。」と言いました。弟はすみに座って、他の人たちと一緒に聞き、どういうことを言ってるのかわかりませんでした。「いつも『ぞっとする、ぞっとする、ぞっとしない』と言ってるな。それも僕がわからない技にちがいない。」と弟は考えました。 さて、ある日、父親が弟に「よく聞けよ、そこのすみのやつ、お前は大きくなって力もでてきた。お前も自分で食っていく何かを習わなくちゃな。見てみろ、お前の兄はしっかり働いている。だが、お前はこれっぽちも稼がないんだからな。」と言いました。「それでね、お父さん」と弟は答えました。「何かを習いたい気はうんとあるんだ。本当に、もしやれるなら、ぞっとする方法を習いたいんだ。まだそれが全然わからないんだよ。」兄はこれを聞メルヘン 読む →
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12人兄弟

12人兄弟昔、一緒に幸せに暮らし、12人の子供がいる王様とお后様がいました。しかし子供たちはみんな男の子で、あるとき王様は「今度生まれてくる13人目の子供が女の子なら、その子の財産が大きくなって国がその子だけのものになるように、12人の男の子は殺そう。」と妻に言いました。王様は12個の棺まで作らせ、もうかんなくずも詰められて、それぞれに小さな死枕もありました。そしてその棺を錠をかけた部屋に持っていかせ、その鍵をお后に渡して、だれにもこのことを話さないようにと命じました。 しかし、母親は今や一日中座って嘆いていました。それでとうとう、いつも母親と一緒にいて、聖書からベンジャミンと名づけていた一番下の息子が、「お母様、どうしてそんなに悲しいの?」と訊きました。 「かわいい子よ、お前に言えないのだよ。」とお后は答えました。しかし、息子がしきりに聞くのでとうとうお后は行って部屋の鍵をはずし、かんなくずが詰められ準備ができている12個の棺を見せました。それから、「かわいいベンジャミンや、お前の父はこれらの棺をお前とお前の兄たちのために作らせたのだよ。それも、私が女の子を産んだら、お前たちはみんな殺されこの棺に埋められることになっているの。」と言いました。こう言っている間も泣いているので、息子は慰めて、「泣かないで、お母様、僕たちは助かってここを出て行くよ。」と言いました。しかしお后は「11人の兄たちとメルヘン 読む →
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白蛇

白蛇昔、知恵があることで国中に評判の王様が住んでいました。王様が知らないことは何もなく、まるで最も秘密なことがらが空中から王様に伝わってくるかのようでした。しかし、王様には奇妙な習慣があり、毎日夕食後、食卓が片付けられ誰もいなくなると、信頼のおける家来がもう一つ料理を持ってこなければならないのでした。しかしその料理はふたをされ、その家来ですら中に何が入っているのか知りませんでした。また他の誰も知りませんでした、というのは王様は全く一人きりになるまでそれを食べるために決してふたをとらなかったからです。 この習慣が暫く続いたある日、家来は、料理を運んでいて、どうしても好奇心をおさえきれなくなって自分の部屋に料理を運びました。用心深くドアに鍵をかけたあと、ふたを持ち上げてみると、皿の上に一匹白い蛇がのっていました。しかし、家来は、その蛇を見ると、食べて味わってみたい気持ちをおさえられず、小さい一切れを切りとって口に入れました。その切り身が舌に触れるや否や、窓の外から小さい声の奇妙なささやきが聞こえてきました。行って耳をかたむけると、スズメがぺちゃくちゃ野や森で見たあらゆることについて話し合っているのでした。蛇を食べたことで動物の言葉を理解する力がついたのでした。 偶然にも、まさにこの日、お妃さまがもっとも美しい指輪を失くして、この家来はどこへ行くことも許されていたので、泥棒の疑いがかかりましメルヘン 読む →
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奇妙な音楽家

奇妙な音楽家昔、不思議な音楽家がいました。この音楽家が、まったく一人で森を通っていろいろなことを考えていましたが、何も考えることが残ってなくなった時、(この森では時間の経つのがいやに遅いなあ。いい連れを見つけよう。)と思いました。それから、背中からバイオリンをとり、ひくと、音が木々の間にこだましました。まもなく一匹の狼が茂みから駆けてきました。「ああ、狼が来るよ。狼は欲しくないな。」と音楽家は言いましたが、狼は近づいて来て、「ああ、音楽家さん、なんてきれいにひくんでしょう。私もそれを習いたいです。」と言いました。「すぐに習えるよ。」音楽家は言いました。「私がいいつける何でもやりさえすればいいんだ。」「まあ、音楽家さん、生徒が先生に従うように、私はあなたに従います。」と狼は言いました。音楽家は狼についてくるように言いました。しばらく道を進んだ時、中にうろがあり真ん中が割れている古い樫の木のところに来ました。「見ろよ、バイオリンを習うなら、前足をこの割れ目に入れろ。」と音楽家は言いました。狼は従いました。しかし、音楽家は素早く石を拾い、ひとうちであっというまに二本の前足をくさびのように押し込んだので、狼は囚われてそこにいるしかなくなりました。「私が戻るまでそこで待ってろ。」と音楽家は言って、道を進みました。 しばらくして、音楽家は、「この森では時間の経つのがいやに遅いなあ。別の連れをこっちへ呼ぼうメルヘン 読む →
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糸くり三人女

糸くり三人女昔、怠け者で糸を紡ごうとしない娘がいました。それで娘の母親は「どうしたってお前をその気にさせることはできやしない」と嘆いていました。ついに或るとき堪忍袋の緒がきれカッとなって母親は娘をなぐりました。それで、娘は大声で泣き出しました。丁度このときお妃さまが通りがかり、泣き声を聞いたので、馬車をとめ、家に入ると、母親に、どうして泣き声が道に聞こえるほど娘をなぐっているのか、と尋ねました。母親は娘の怠け癖をさらけ出すのは恥ずかしいと思い、「娘の心を糸紡ぎから離せないんです。娘は糸紡ぎをすると何度も何度も言い張るんです。私は貧しいし、亜麻を買うお金がないんです。」と言いました。するとお妃さまは「私は、糸紡ぎほど聞きたいものはないですよ。糸車が回っているときはこの上なく楽しいわ。娘を宮殿に連れて行かせて。私には亜麻が十分あるから、好きなだけ紡がせてあげる。」と言いました。母親はこれに心から満足し、お妃さまは娘を一緒に連れていきました。宮殿に着いたあと、お妃さまは娘を上から下まで最上等の亜麻でいっぱいの3つの部屋に案内しました。「さあ、この亜麻を紡いでおくれ。終わったら、私の一番上の息子と結婚させてあげましょう、たとえお前が貧乏でもね、そんなことを気にはしていないのよ、お前のひたむきな勤勉さが十分な持参金ですからね。」とお妃さまは言いました。 娘は内心ビクビクしていました。というのは、たとえ3メルヘン 読む →
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勇ましいちびの仕立て屋

勇ましいちびの仕立て屋ある夏の朝、小さな仕立て屋は窓のそばの仕事台に座って、機嫌がよく一生懸命縫っていました。すると、下の通りをお百姓の女が、「いいジャムだよ、安いよ、いいジャムだよ、安いよ」と叫んで来ました。これは仕立て屋の耳に心地よく聞こえました。仕立て屋はきゃしゃな頭を窓から伸ばし、「ここへ来てよ、おばさん、ここで品物が売れるよ。」と呼びました。女は重いかごを持って3段あがって仕立て屋のところに来ました。そして仕立て屋は女につぼを全部広げさせ、全部を調べ、持ち上げ、鼻で匂いを嗅ぎ、やっと、「おばさん、そのジャムはおいしそうだ。だから4オンス測ってくれ。四分の一ポンドでも構わないよ。」と言いました。 たくさん売れると思っていた女は、仕立て屋が望んだものを渡しましたが、ぷんぷん怒ってぶつくさ言いながら立ち去りました。「さて、このジャムを神様が祝福してくださいますように」と小さな仕立て屋は叫びました。「そして食べた私に健康と力を与えてくださいますように。」それで戸棚からパンを出し、ちょうど半分に切り、ジャムを塗りました。「これは苦くないだろう。」と仕立て屋は言いました。「だが食べる前に、上着を終わらせよう。」パンを近くに置いて、縫い続け、楽しくて、縫い目がだんだん大きくなりました。そのうちに甘いジャムの香りが壁に立ち昇り、そこにたくさんいたハエが匂いに惹かれて下りてきてパンにたかりました。「うわっ、誰がメルヘン 読む →
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手なしむすめ

手なしむすめ昔、ある粉屋が住んでいましたが、だんだん貧しくなっていき、とうとう風車小屋とその後ろにある大きなりんごの木以外何もなくなりました。あるとき、森へ木を取りに行くと、会ったことのない老人が近づいてきました。「どうして苦しんで木を切るんだい?お前を金持ちにしてやろう、風車小屋の後ろに立っているものをくれると約束してくれたらね。」と言いました。 粉屋は「それっていったい何だろう?ーああ、りんごの木か」と思い、「いいよ」と答え、その見知らぬ人に約束を書いて渡しました。しかし、その男はニヤニヤしながら、「3年経ったら、自分のものをとりにくるから」と言うと行ってしまいました。粉屋がうちに帰ると、妻が出迎えて「ねえ、あなた、このお金は急にどこから家の中に入ったのかしら?あっという間にどの箱も引き出しもいっぱいなのよ。誰も運んでこなかったし。どうしてこうなったかわからないわ。」と言いました。「森で会った知らない人が、大きな財産をくれると約束してくれたんだよ。おれは、お返しに、風車小屋の後ろに立っているものをあげると約束したんだよ。-大きなりんごの木をあげても全然構わないもんな。」と粉屋は言いました。妻は怯えて「まあ、あなた、それは悪魔だったにちがいありませんよ。りんごの木のことじゃなくて、娘のことを言ってたんですよ、娘は庭を掃いて風車小屋の後ろに立っていたんです。」と言いました。 粉屋の娘は美しく信メルヘン 読む →
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子ウサギのおよめさん

子ウサギのおよめさん昔、キャベツを植えているきれいな庭に住む母親と娘がいました。そして小さなウサギがそこに入り、冬にはキャベツを全部食べてしまいました。それで母親は娘に、「庭に行ってウサギを追い払ってね。」と言いました。 女の子は「シ、シ、ウサギ、あなたはうちのキャベツをみんな食べてしまうわ。」とウサギに言います。「おいで、お嬢さん、私の小さなウサギの尻尾に座って私のおうちに一緒においで。」とウサギはいいます。女の子は行きません。 次の日、ウサギはまたやって来てキャベツを食べます。それで母親は娘に「庭に行ってウサギを追い払ってね。」と言います。娘は「シ、シ、ウサギ、あなたはキャベツをみんな食べてしまうわ。」とウサギに言います。「おいで、お嬢さん、私の小さなウサギの尻尾に座って私のおうちに一緒においで。」とウサギはいいます。娘は断ります。 三日目、ウサギはまたやって来てキャベツを食べます。それで母親は娘に「庭に行ってウサギを追い払ってね。」と言います。娘は「シ、シ、ウサギ、あなたはキャベツをみんな食べてしまうわ。」とウサギに言います。「おいで、お嬢さん、私の小さなウサギの尻尾に座って私のおうちに一緒においで。」とウサギはいいます。 女の子が小さなウサギの尻尾に座ると、ウサギは遠く離れた自分の小さな家に連れていき、「さあ、緑のキャベツとアワ種を料理して。私は結婚式のお客を呼ぶからね。」と言います。それからメルヘン 読む →
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幸せハンス

幸せハンスハンスは主人に七年仕えました。それで主人に「だんなさま、年季が明けました。もうくにの母のところに帰りたいんです。お手当をください。」と言いました。主人は「お前はかげひなたなくよく働いてくれた。それだけちゃんと手当てもはずむぞ。」と答えて、ハンスに頭と同じくらい大きい金の塊を渡しました。ハンスはポケットからハンカチを引っ張り出し、その塊を包んで肩にかけ、故郷に帰りはじめました。 足を交互に出しながら進んでいくと、馬に乗った人が目にとまりました。元気のよい馬に乗って速く楽しそうに走っていくのです。「いいなあ!」とハンスは大声で言いました。「馬で行くってなんていいんだろう。椅子に座っているようにして、石につまずかないし、靴は擦り減らないし、それで知らないうちに先へ進むんだもんなあ。」馬の乗り手はその声が聞こえて止まり、「やあ、ハンス、じゃどうして歩いているんだい?」とさけびました。「歩かなくちゃいけないんですよ。」とハンスは答えました。「この塊を家に持って行くもんでね。確かに金なんだけど、このせいで頭をまっすぐにあげられないし、肩は痛いし。」「なあ」と乗り手が言いました。「取り変えようか。お前に馬をやろう、お前はその塊を私にくれよ。」「喜んで」とハンスは言いました。「だけど言っておきますよ、あんたはこの塊を這いつくばって運ばなくちゃなりませんよ。」乗り手は降りて金を受け取り、ハンスを馬にメルヘン 読む →
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おいしいお粥

おいしいお粥母親と二人だけで暮らしている、貧しいけれど心のやさしい女の子がいました。二人にはもう食べるものがなくなったので、子供は森へ入って行き、そこでおばあさんと出会いました。おばあさんは子供の悲しみを知って、ちいさな壺をあげました。その壺は「煮て、壺よ、煮て」と言えば、良いおいしいおかゆを作り、「止まって、壺よ、止まって」と言えば作るのをやめるのです。女の子はそのつぼを母親のところに持って帰り、もう貧乏と空腹から救われ、好きなだけおいしいおかゆを食べました。 女の子がでかけていたあるとき、母親は「煮て、壺よ、煮て」と言いました。それで壺は煮て、母親は満腹するまで食べました。それで壺に作るのを止めて欲しかったのですが、言葉を知りませんでした。それで壺はどんどん作り続け、おかゆがふちをこえてあふれてきました。それでも作り続け、台所と家中がいっぱいになりました。それから、隣の家が、それから通りが、いっぱいになり、まるで世界中の空腹を満たしたいかのようでした。とても困りましたが、だれも壺の止め方を知りませんでした。 とうとうただ一つの家が残ったとき、子供が帰ってきて、「止まって、壺よ、止まって」と言いました。それで壺は止まって作るのを止めました。町へ戻りたい人はみんな帰り道を食べて帰らなくてはなりませんでした。メルヘン 読む →
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忠実なジョン

忠実なジョン昔、年老いた王様がいて、病気で「私は死の床に寝ているにちがいない」と考え、「フェイスフルジョンを呼べ。」と言いました。フェイスフルジョンは、生涯ずっと王様に誠実だったので、そのためそう呼ばれたのですが、お気に入りの家来でした。それで、ベッドのそばにくると王様は「最も忠実なジョンよ、私の終わりが近づいているようだ。息子を除いては何も心配はない。あれはまだ弱冠者で、必ずしも判断がつくわけではない。お前があれに知るべきことを全部教え、養い親になると約束してくれねば、わしは安らかに目を閉じることが出来ぬ。」と言いました。それでフェイスフルジョンは「王子様を見捨てません。命にかけても忠実にお仕えします。」と答えました。これを聞いて王様は「これで心安らかに死ねる。」と言い、「わしが死んだ後、息子に城じゅうを見せよ。全ての部屋、廊下、貯蔵庫、その中の宝全てをな。だが、長い通路の一番奥の部屋を見せてはならぬ。そこには黄金の城の王女の絵があるが、もしその絵を見れば、息子は激しい恋におち、失神して倒れ、彼女のために大きな危険を冒すだろう。ゆえに、お前は息子をそれから守らねばならぬ。」と付け加えました。そしてフェイスフルジョンが、年老いた王様にこれについても再び約束すると、王様はもう何も言わず、枕に頭をのせ、死にました。 老王が墓に運ばれてしまったとき、フェイスフルジョンは、若い王様に、死の床で父親に約メルヘン 読む →
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森の中の三人の小人

森の中の三人の小人昔、妻を亡くした男と、夫を亡くした女がいました。男には一人の娘がおり、女にもひとり娘がいました。娘たちはお互いと知り合いになり、一緒に散歩にでかけ、後に家にいる女のところへ来ました。そのとき、女は男の娘に「ねぇ、お父さんに私が結婚したがっていると言ってちょうだい。そしたらあなたを毎朝ミルクで体を洗わせ、ワインを飲ませてあげるわ。けど、うちの娘は水で体を洗わせ、水を飲ませるわ。」と言いました。その娘は家へ帰り、父親に女が言ったことを話しました。男は「どうしようかな?結婚は喜びでありまた拷問だからな。」と言いました。とうとう決めることができなかったので、男は長靴を脱ぎ、「この長靴を持ちなさい。底に穴があいているんだ。それを持って屋根裏に行って、大きな釘にかけなさい。それから中に水を入れなさい。もし水がもらなければもう一回妻をもらおう。だけど、水がもったらやめるよ。」と言いました。娘は言われた通りやりました。しかし、水は穴をふさいで長靴は上まで水でいっぱいになりました。娘は父親に結果がどうなったか告げました。それで男自身も上に行き、娘が正しいと見てとって、その未亡人のところへ行って求婚しました。そして結婚式が行われました。 次の朝、二人の娘が起きると、男の娘の前には体を洗うためのミルクと飲むためのワインがありましたが、女の娘の前には体を洗うための水と飲むための水がありました。2日目の朝にメルヘン 読む →
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おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ

おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ昔、一人の仕立て屋がいました。その男には息子が三人と、たった一匹のヤギがいました。しかし、そのヤギはミルクを出し、みんなを養ったので、良い物を食べさせるため、毎日牧草地へ連れて行かれました。息子たちが順番にそれをしました。あるとき、一番上の息子が、墓地へ連れて行きました。そこでは一番いい草がみつかり、やぎを食べさせ、そこで走り回らせました。夜に家に帰る時間になると、息子は、「ヤギや、十分食べたかい?」と尋ねました。ヤギは、「たくさん食べたよ、あと一枚の葉っぱもいらないよ、メエメエ。」と答えました。 「じゃあ、家に帰ろう。」と若者は言って、首の綱を握り、小屋へ連れて行き、しっかりつなぎました。「なあ」と年とった仕立て屋は言いました。「ヤギはえさをちゃんとたくさん食べたかい?」「ああ、たくさん食べたよ。もう葉っぱ一枚いらないよ。」と息子は答えました。しかし父親は自分で納得したくて小屋に行き、かわいいヤギをなでて、「ヤギや、満足してるか?」と尋ねました。ヤギは、「どうして満足できるんだい?溝の間を跳び回っていて、葉っぱは何もなかったよ。だから何も食べないで帰ったよ。メエメエ。」と答えました。「何だと!」と仕立て屋は叫び、二階に走っていき、若者に言いました。「おい、この嘘つき野郎!ヤギはたらふく食ったと言って腹ペコにさせときやがって。」そして怒って壁からものさしをとると若者をなぐりまくってメルヘン 読む →
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黄金の鳥

黄金の鳥昔、王様がいて、宮殿の裏に、金のリンゴが実る木がある美しい庭をもっていました。リンゴが熟してくると数がかぞえられましたが、その次の朝、1個がなくなっていました。このことが王様に報告され、王様は、毎晩木の下で見張りをするように、と命令しました。王様には三人の息子がいて、夜がくると長男を庭に送りましたが、真夜中になると、眠気を抑えられず、次の朝またりんごが1個なくなりました。 次の夜、次男が見張りをすることになりましたが、結果は兄と同じく、12時になると眠ってしまい、朝にはりんごが1個なくなっていました。いよいよ3男が見張りをする順番がきて、すっかりその気になっていましたが、王様はこの息子にあまり期待を持たないで、兄たちよりさらに役に立たないだろうと考えましたが、とうとう行かせました。若者は木の下に横になりましたが、目を覚まして、眠気に負けないようにしていました。12時を打つと、何か空をバサバサという音をさせ、月の明かりで羽が金で輝いている鳥が来るのが見えました。 鳥は木に止まると、リンゴを1つとりました。そのとき若者は鳥めがけて矢を射ました。鳥は飛んで去りましたが、矢は羽にあたり、金の羽の一枚が落ちてきました。若者はそれを拾い、次の朝王様のところに持って行って、夜に見たことを話しました。王様が相談役たちを呼び集めると、みんなが、このような羽は王国全部以上に価値がある、と言いました。もメルヘン 読む →
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ヨリンデとヨリンゲル

ヨリンデとヨリンゲル昔、大きなうっそうとした森の真ん中に古い城があり、そこには魔女のばあさんがひとりっきりですんでいました。ばあさんは昼は猫やふくろうに変身しましたが、日が暮れるとまたふつうの人間の姿になりました。また、けものや鳥をおびき寄せ、殺して煮たり焼いたりしました。城から百歩内に入った人は、立ち止まったきり、ばあさんが魔法を解くまでその場から動けなくなりました。しかし、けがれのない娘がこの範囲に入ると、ばあさんはその娘を鳥に変え、柳の鳥かごに閉じ込め、城の部屋に運び込みました。城の中には珍しい鳥のかごが七千ほどありました。 さて、あるとき、ヨリンデという娘がいて、他のどの娘よりもきれいでした。ヨリンデとヨリンゲルというハンサムな若者は結婚の約束をしていました。二人はまだいいなずけの日々を過ごし、一緒にいることが一番の幸せでした。ある日、静かに語り合うために二人は森へ散歩にいきました。「気をつけて」とヨリンゲルは言いました。「城に近づきすぎないように。」美しい夕方でした。太陽が木々の幹の間から暗い森の緑に明るく射し込み、キジバトがブナの木の上でもの悲しく鳴いていました。ヨリンデは時々泣き、日なたに腰を下ろすと切なそうにしていました。ヨリンゲルも悲しく、二人は今にも死ぬかと思うくらい切なかったのです。そのとき二人は周りを見回して、すっかり途方にくれました。というのは家に帰る道がわからなかったからでメルヘン 読む →
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命の水

命の水昔、病気の王様がいましたが、誰も王様がその病気から回復すると信じませんでした。王様には3人息子がいて、王様の病気を悲しんで宮廷の中庭に降りて行き、泣きました。そこへおじいさんが来て、なぜ悲しんでいるのか、と尋ねました。息子たちは、父親の病いが重く、どうにも治しようがないので死んでしまうだろう、と言いました。するとおじいさんは、「私はもうひとつの薬のことを知ってるよ。それは命の水だ。それを飲めばまた良くなるが見つけるのが難しいんだ。」と言いました。一番上の息子は、「なんとか見つけてみせる。」と言い、病気の王様のところへ行き、命の水を探しに行くことをお許しください、それだけがお父さんを救えるのですから、とお願いしました。「だめだ」と王様は言いました。「危険が大きすぎる、それよりむしろ私は死んだ方がましだ。」 しかしあまりしつこく頼むので、王様は了承しました。王子は心の中で、「僕が水を持ってくれば、お父さんに一番かわいがられ、国を継ぐことになる。」と考えました。それで王子は出発し、馬で少し行くと、道に小人が立っていて、王子に呼びかけ、「急いでどこへ行くんだい?」と言いました。「馬鹿なチビめ」と王子は、とても傲慢に言いました。「お前に関係ないだろ。」そして馬で進みました。しかし小人は怒って悪い願かけをしました。この後まもなく王子は渓谷に入りましたが、行けば行くほど山同士が近づいていき、とうメルヘン 読む →
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月昔、夜はいつも暗く空が黒い布のようにおおっている国がありました。というのはそこには月が昇らず、星も暗闇に輝くことがなかったからです。世界を創造したときは夜の光は十分あったものですから。あるとき、四人の若者がこの国を出て旅にでかけ、よその国に着きました。そこでは太陽が山のかげに沈んでしまったあと、樫の木に光る玉が置かれ、あたりに柔らかい光を投げかけていました。このため、太陽ほどまばゆくはありませんでしたが、何でもとてもよく見えて、見わけがつきました。旅人たちは立ち止まって荷馬車で通りすぎていく村人に、「あれはどういう明かりですか?」と尋ねました。 「あれはお月さまですよ。」と村人は答えました。「私たちの村長が三ターラーで買って来て、それを樫の木に止めたんです。村長は、いつも明るく燃えるように毎日油を注いでやりきれいにしておかなくてはいけないんですよ。その分私たちは村長に毎週一ターラー払うんです。」村人が行ってしまうと、旅人の一人が「このランプは役に立つぜ。故郷にこれと同じくらい大きい樫の木が一本ある。そこに吊るせるよ。夜に暗闇を手さぐりしなくてよくなれば、楽しいだろうな。」「いいかい、こうしようよ」と二番目の若者が言いました。「荷車と馬をとってきて、お月さまを運んで行こう。ここの人たちはまた別のを買うだろうよ。」「おれは木登りがうまいぜ。あれをとってくるよ。」と三番目の若者が言いましメルヘン 読む →
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強盗のおむこさん

強盗のおむこさん昔、粉屋がいました。この粉屋に美しい娘がいて、大人になったので、娘に準備してやり、よい結婚をさせたいと願いました。(もし良い人が来て娘を望んだら、その人に娘をやろう)と考えました。それからまもなく、娘を妻に欲しいという人がやってきて、とても金持ちのように見え、粉屋はその人に悪いところが見つからなかったので、娘を嫁にやると約束しました。しかしこの乙女は、一般の娘が婚約した男を好きなようには、この人を好きでなく、全く信頼しませんでした。この人を見たり考えたりするときはいつも虫唾が走りました。あるとき、男が娘に、「あなたは僕のいいなずけなのに、一度も家へきたことがありませんね。」と言いました。娘は、「あなたの家がどこかわかりませんもの。」と答えました。するといいなずけは、「僕の家はそこの暗い森にあります。」と言いました。娘は行かなくてすむような言い逃れをして、「そこの道がわかりませんわ。」と言いました。いいなずけは「次の日曜日にそこに僕を訪ねてきてください。もうお客たちを呼んでありますから。森の道がわかるように灰をまいておきますよ。」と言いました。 日曜になり、娘が行かなければならなくなると、自分でもどうしてなのかはっきりわかりませんでしたが、とても不安になり、道に印をつけるため、両方のポケットにエンドウ豆とレンズ豆を詰めました。森の入口に灰がまかれていて、これをたどっていきましたが、一メルヘン 読む →
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つぐみの髭の王さま

つぐみの髭の王さまある王様に、はかり知れないほど美しい娘がいました。けれどとても高慢でその上横柄なので、どの求婚者も娘の気にいらなくて、求婚者を次々と追い返し、意地悪く笑い者にもしました。 あるとき、王様は大宴会を開き、そこへ遠近から結婚の相手となりそうな若者を招きました。若者たちは身分と地位に従って全員一列に整列させられました。最初は王様で、次は公爵、次は王子、伯爵、男爵、紳士階級がきました。それから王様の娘はそれぞれの身分の人の間を案内されましたが、どの人にもなにか異議を唱えました。一人は太りすぎていて、「酒樽ね」、背が高すぎると「やせでのっぽ、まるで役立たずね。」3人目は背が低すぎて「ちびのでぶはのろまよ。」、4人目は顔色が悪過ぎて「死神みたいね。」、5人目は顔が赤過ぎて、「見事なおんどりね。」、6人目は体が真直ぐでないので、「ストーブの後ろの乾かされた生木。」と言いました。 そんなふうに娘は一人ひとりに何か文句をつけましたが、列のかなり高い地位にいたりっぱな王様には特にはしゃいで、あごがすこし曲がっていたので、「ほら見て、つぐみのくちばしみたいなあごをしているわ。」と叫んで笑いました。その時からこの人はつぐみひげの王様の名前をもらいました。 しかし年とった王様は、娘が人々をあざ笑う以外何もしないで、そこに集まった求婚者みんなをばかにしたのを見ると、とても怒って、戸口に来た最初の乞食を娘の夫にメルヘン 読む →
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漁師とおかみ

漁師とおかみ昔、海のすぐちかくの豚小屋に、漁師がおかみさんと一緒に住んでいました。漁師は毎日魚釣りにでかけ、釣って、釣って、ひたすら釣りました。あるとき、竿を垂れて座り、きれいな水を眺めながら、ひたすら座っていました。すると糸がグイッと下がってずっと下までおりました。糸を引き上げてみると大きなヒラメがかかっていました。するとヒラメが言いました。「聞いてください、漁師さん、お願いです。命を助けてください。私は本当はヒラメではなく、魔法にかけられた王子なのです。私を殺して何になりますか。私を食べてもおいしくないです。また水に戻して、放してください。」「まあ、いいだろ」と漁師は言いました。「そんなに言わなくてもいいよ。口をいう魚なんてどっちにしても放してやるさ。」そう言って漁師はヒラメをきれいな水に戻しました。ヒラメは後ろに長い血のすじを残して、底に行きました。 それから猟師は立ち上がって豚小屋のおかみさんのところに帰りました。「あんた」とおかみさんは言いました。「今日は何もとれなかったの?」「ああ」と亭主は言いました。「実はヒラメを釣ったんだがね、そいつが魔法にかけられた王子だというもんだから、逃がしてやったよ。」「先に願い事を言わなかったのかい?」とおかみさんは言いました。「ああ、言わなかった。」と亭主は言いました。「何を願うんだい?」「まあ」とおかみさんは言いました。「こんな豚小屋でいつまでもメルヘン 読む →